【非鉄流通のいま】〈建設用ケーブル・資材の専門商社、大川電商〉顧客の緊急時にこそ貢献

 大川電商(本社・大阪市、社長・大川弘人氏)は、住友電工グループ、スリーエム・ジャパンの製品を中心とする建設用ケーブル・関連資材の専門商社。設立は1953年で、大川喜代春氏が大阪市北区で住友電工特約店として大川商店を興した。顧客は約300社、仕入れ先は大手・中堅中小の電線メーカーなど約100社。従業員は30人。

 大川社長は住友電工で約10年勤務した後、同社に入社、2015年に3代目の社長に就いた。「ケーブルはお客様にとって必要不可欠な商材。お客様のお役に立つことが当社の存在意義であり、そのための〝約束事〟が次の3点。まず、信頼に値する会社・人であること、次に常に最適な製品を適正な価格でタイムリーに提供すること、そして緊急時や不測の事態においてこそ貢献すること」(大川社長)。

 拠点は本社と広島支店、16年9月設立の東京営業所。大阪府堺市の商品センター。商品センターでは約8年前から端子の圧着加工なども手掛ける。

 17年4月期の売上高は39億4600万円で、月間平均出荷銅量は約150トンだった。各拠点の売上高比率は東京が5%、残り95%を大阪と広島で折半している。「今期業績予想は売上高36億円、経常利益1億2千万円。減収は、産業用太陽光発電などの大型案件がなくなるため。人手不足による納入遅れや、新規拡販の進ちょく遅れも影響しそうだ。足元の電線需要は堅調だが、人手不足が深刻」(同)。

 営業戦略では主力の「建設向けケーブル・関連製品」および高いシェアを持つ「ニッチトップ製品(接材端末全般、住宅向け加工製品など)」の維持発展が基軸になる。7年前から収益構造の改善を推進。販促策では累計130社超で売上高4億円を達成した。海外インフラの拡販も図る。ミャンマーで案件があるが、日系顧客向けでの提案営業やサービス強化に努める方針。

 「商社の力の源泉はすべて人材にある。基盤研修を実施中だか、スキル系研修と両立し発展させたい。大川電商は今後も、お客様のお役に立てることを喜びとして、地道に歩んでいきたい」(同)。(白木 毅俊)

会社概要

 ▽資本金=2400万円

 ▽本社=大阪市北区天満3―2―3

 ▽社長=大川弘人氏

 ▽TEL=06―6352―4123

 ▽主な扱い商品=電設用ケーブル、電設用接続端末、電力規格認定ケーブル・バインド線、電路・通信・信号用ケーブル、各種ケーブル。上記商品の関連材など。

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