リカザイ、極薄純マグネ箔を開発 厚さ2ミクロン、電子部品など小型化

 非鉄金属などの箔製品の製造販売を手掛けるリカザイ(本社・川崎市中原区、社長・小室好夫氏)はこのほど、厚み2ミクロンの極薄純マグネシウム箔を開発した。圧延時のさまざまな条件を工夫。それまでの10ミクロン厚から大幅な薄型化に成功した。薄い金属箔を供給することで電子部品などの小型・軽量化に貢献できる。現在はサンプル品の出荷を進めており、今後3年をめどに量産化を目指している。

 純マグネシウム箔は軽く強度に優れることなどが特徴となっている。極薄品は外部から調達した板材を複数枚重ねて小型の設備で冷間圧延する製法。より薄型化するため、加工時の熱で箔が溶着しないよう積層する枚数や圧延スピードなどの加工条件を工夫し、5ミクロン厚製品の製造ノウハウを確立した。極薄の純マグネシウム箔を製造できるメーカーは珍しい。

 今後は極薄純マグネシウム箔の製造技術を生かして新規市場の開拓も視野に入れる。

 同社は1947年設立で資本金が2千万円。従業員が25人となっている。「顧客の試作や開発にきめ細かく対応できる体制が強み」(小室社長)で、チタンや銅、アルミに加えステンレスなどの圧延箔や精密加工品を多品種少量で製造。月間数百キロを商社やメーカーの研究開発部門などに供給している。

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