雑品スクラップのシュレッダー処理、最終処分場の確保難が課題に

 中国の輸入規制で、銅などを含む〝雑品スクラップ〟をシュレッダー処理により国内循環させる必要性が高まる中、シュレッダーダストの最終処分場不足が大きな課題に浮上している。関係者によると、日本のシュレッダー設備の稼働率は推定4割程度。雑品スクラップを加工する設備能力は十分にあるが、処理過程で発生するダストを埋立て処分する場所の確保が困難なため、シュレッダー業者が雑品の受け入れを拒否するケースも出ているという。

 中国政府が環境対策を目的に資源物の輸入規制を強化し、日本ではこれまで中国に輸出していた雑品スクラップの国内循環が必要となっている。被覆銅線などを含む雑品はシュレッダー処理した後に銅などの有価物を選別、資源としてリサイクルするが、その際に生じるダストの処分場確保が困難になっている。

 雑品スクラップの国内循環に限界が生じると、日本の鉄スクラップの品質悪化や電炉メーカーの製鋼への悪影響も見込まれる。このため、シュレッダーダストの処分場確保は鉄鋼業界全体にとっても緊急課題となりそうだ。

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