愛知製鋼のMIセンサ使用自動運転支援システム、全国初、運転手不在で実験

 愛知製鋼(社長・藤岡高広氏)開発の超高感度磁気センサ「MIセンサ」を使用した自動車の自動運転支援システムが、無人走行実現へ新たな段階に移行する。同社は9日、国土交通省が10日から長野県伊那市の道の駅で実施する自動運転サービスの実証実験に参画、MIセンサを応用し車両位置を高精度に検出する新技術「磁気マーカシステム」を使用した、全国初となる「レベル4」(高度運転自動化)の走行を含めた実証実験を開始すると発表した。

 同社が開発する「磁気マーカシステム」は、電波の取得状況や天候不順などによって十分な信頼性が得られないGPS、画像処理技術を用いた装置に対し、さまざまな状況下で安定的に車両の位置を特定可能な技術。

 昨年から沖縄、滋賀など全国各地で行われている自動運転実証実験にシステムを提供し、実績を重ねている。

 伊那市の道の駅「南アルプスむら長谷」で10日から16日まで行われる今回の実験では、先進モビリティ社が開発したバスにMIセンサを使用したモジュールを搭載。磁気マーカやGPS、ライダーなどから収集した情報を基に走行する「路車連携型」技術でシステムが加速、操舵、制動をすべて自動で行う。

 なお今回は、同システム使用の実験で初めて「レベル4」(運転手不在、車両が運転操作実施)での走行を予定する。

 非常に道幅が狭い公道での実験も計画しており、MIセンサを用いた自動運転システムはこの実験を通じて実用化に向けた大きな一歩を踏み出すこととなる。

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