メクル 第247号 会話はすべてEnglish!  佐世保・光海中

 今回は、1月に佐世保(させぼ)市立光海(こうかい)中(山口一成(やまぐちかずなり)校長、63人)2年の英語の公開授業(じゅぎょう)が市西地区公民館で開かれたので、おじゃましました。

 古庄忍(ふるしょうしのぶ)先生が、生徒に赤いマフラーを見せながら問いかけました。

 この授業は、先生が見せる物から生徒が英語で質問を考え、情報(じょうほう)を聞き出すという活動です。授業中は先生も生徒も英語。これまでに習った表現(ひょうげん)を活用しながら伝え合います。

 少年とけがをしたイルカのきずなをえがいた物語を題材にした学習では、少年の性格(せいかく)や、自分がこの少年だったらイルカのために何ができるかなどをグループごとに英語で話し合い、発表。物語をじっくりと考えた後に、新しい文法や単語を学んでいます。

 光海中は、県教育委員会の指定を受けて「大学等と連携(れんけい)した英語指導(しどう)力向上事業」を研究中。さまざまな英語表現を何度もくり返し発音して定着させる、グループで考える、自分の言葉で表現する自信をつけさせるなど、「コミュニケーション能力(のうりょく)を育む英語教育の充実(じゅうじつ)」をテーマに、授業を工夫しています。

 生徒の感想は「声に出すことで覚えやすい」「言葉のリズムが体にしみついていく」など。甲斐愛奈(かいあいな)さん(14)は「みんなでたくさん英語を話せるし、どんな質問をしようかと考えるのも楽しい」と話していました。

T…teacher S…student

T Please ask me questions about this.

  これについて、質問(しつもん)をしてごらん

S What is that?

  それは何ですか

T This is a scarf.

  これはスカーフです   People in America call this a scarf.

  アメリカの人は、これ(マフラー)を「スカーフ」とよぶんですよ

S Whose scarf is that?

  それは、だれのスカーフですか

T Oh,this is my scarf.

  これは、わたしのスカーフですよ

S Did you buy that scarf?

  そのスカーフは買ったものですか

T No,I didn‘t.

  ちがいますよ

S How did you get that scarf?

  どのようにして手に入れたのですか

T I got this scarf from my wife.

  妻(つま)からもらったんだよ

  She gave me this for my birthday.

  わたしの誕生日(たんじょうび)にくれたんだよ

S Where did she buy that scarf?

  奥(おく)さんは、どこで買ったんですか

T She did not buy this scarf.

  買ったのではないよ

S Did she make that scarf for you?

  奥さんの手編(あ)みですか

T Yes,she did.

  そうだよ

  My lovely wife made this scarf for my birthday.

  愛する奥さんが、誕生日に編んでくれたんだよ

◎長崎県立大 山崎 祐一(やまさき・ゆういち)教授/新しい視点 得られる

 公開授業(じゅぎょう)を見学した教師(きょうし)向けに、長崎県立大の山崎祐一(やまさきゆういち)教授が「これから求められる英語教育」をテーマに講演(こうえん)し、「外国語を学ぶことは新しい視点(してん)を得ること」と話しました。  イルカの鳴き声の録音を実際(じっさい)に聞いてみる、登場人物の気持ちを想像(そうぞう)してみるなど、物語の内容(ないよう)を深めてから文法や単語を学ぶという光海中の指導(しどう)方法を評価(ひょうか)。日本のアニメーションのファンになったことをきっかけに日本語を熱心に勉強している留学生(りゅうがくせい)のエピソードを紹介(しょうかい)し、「子どもたちが文化や背景(はいけい)に興味(きょうみ)を持つと、言葉もすーっと入りやすい」と話しました。  今後の英語教育について「子どもたちが英語でコミュニケーションをとる楽しさと喜びを感じられる授業を大切にしてほしい」とまとめました。

自分の考えを英語で伝え合う生徒たち=佐世保市金比良町、市西地区公民館

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