イチロー、MLB全体767位の厳しい評価「名高いキャリアは終末が迫ってる」

去就が注目されるイチロー【写真:Getty Images】

MLB公式が「ファンタジーベースボール」用に選手のランキングを作成

 メジャーリーグのFA市場は例年に比べて流れが遅く、選手会が未所属選手のためのキャンプ開催を準備するなど、“異常事態“となっている。昨年限りでマーリンズとの契約が満了し、FAとなったイチロー外野手の去就も決まってない。MLB公式サイトが「ファンタジーベースボール」のために作成した選手ランキングでは、全804人の中で767位、外野手でも196位と厳しい評価となっている。

 2015年にマーリンズに移籍してからは、4番手の外野手という立場ながら、存在感を見せてきたイチロー。1年目は主に途中出場ながらチーム最多の153試合に出場。打率.229と低迷しながら、若手からの尊敬を集め、チームに大きな影響を与えた。2年目の16年には打率.291と復活を果たし、メジャー史上30人目の通算3000安打も達成。昨年はメジャー最強とも称されたレギュラー外野トリオが好調だったため、出場機会に恵まれず打率.255に終わったものの、代打でのメジャー最多安打記録にあと「1」と迫るなど“新境地”を見せた。

 しかし、デレク・ジーター氏らが新オーナーに就任したマーリンズは若返りに舵を切り、イチローの2018年の契約延長オプションを行使せず。ヤンキースでチームメートだったジーター氏は、イチローに敬意を払い、直接決断を伝えたと報じられている。その後、オフのFA市場は史上稀に見るスローな動きとなり、多くの選手が未所属の状態。44歳のイチローもメジャーに残れるか、微妙な状況となっている。

外野手でも196位「大きな貢献をできる可能性は低い」

 MLB公式サイトが8日(日本時間9日)に発表した「選手ランキング」では厳しい評価を受けた。これは、実在の野球選手でチームを構成し、実際のメジャーリーグの試合での成績をポイント化して総合点を競う米国の人気ゲーム「ファンタジーベースボール」のために作成されたもので、804人をポジションに関係なくランク付けしている。試合数、打席数などが少ない控えの選手は下位に沈みがちだ。

 もちろん、ここに入らない“圏外”の選手も多くいるが、イチローは全体767位とされた。外野手でも全213人中で197位。年齢を重視するメジャーでは、やはり厳しい見方をされているようだ。

 寸評では「17年目のビッグリーグシーズンで、イチローは136試合に出場した。しかし、215打席しか立っておらず、先発外野手3人は少なくとも156試合に出場している」と説明した上で「名高い彼のキャリアは終末が迫っており、打率.255、1盗塁で終えたこの44歳のFA選手が2018年に大きな貢献をできる可能性は低い」と記した。

 守備や走塁での貢献度も高く、負傷もない。常に準備を怠らず、急遽試合に出ることになっても高いパフォーマンスを見せたことから、マーリンズでは4番手外野手として重宝された。年齢さえ見なければ、獲得に動く球団はあるはずだが、どうなるか。キャンプインは迫っているが、開幕まではまだ1か月半以上ある。

(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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