実績あるウルフ&メヒアはいるが不安残る…2018年西武助っ人チェック

昨季後半は控えに回る機会も多かった西武・メヒア【写真:編集部】

新たに2投手を獲得した西武

 昨季2位の西武ライオンズはオフに4人の外国人投手を放出し、新たに2投手を獲得した。

 西武ライオンズの今季の外国人選手は以下。※成績はNPB通算。

〇投手
ワグナー34歳(新加入)
カスティーヨ28歳(新加入)
ウルフ37歳 NPB8年 52勝36敗3S8H、防御率3.31
郭俊麟26歳 NPB3年 3勝10敗0S0H、防御率6.00

 ワグナーは、183センチ、98キロの右腕。2005年ドラフト21巡目でインディアンスに入団した。アスレチックス、ブルージェイズで救援投手として3シーズン投げて、52試合2勝4敗15ホールド、防御率4.92。2013年にはブルージェイズで中継ぎ投手として36試合に投げている。マイナーではイニング数を超える奪三振を奪っている。一方、四球も比較的多い。150キロ超の速球とスライダー、チェンジアップ。それほど精度の高い投手ではないが、スタミナはありそうだ。制球力がカギではないか。

 カスティーヨはドミニカ共和国出身。185センチ、107キロのがっちりした右腕。2006年にレンジャーズに入団。10年もの間マイナー暮らし。2016年はKBO(韓国プロ野球)のハンファで7勝4敗、防御率6.43、昨年はアメリカに復帰してドジャースからMLBに昇格。2試合1.1回を投げて自責点2、0勝0敗、防御率13.50。MLBでの実績は乏しいが、先発、救援ともに経験がある。起用法がカギだろう。

 ウルフは昨年4月、6月と防御率1点台。菊池雄星に次ぐ先発投手として安定感があったが、8月以降は打ち込まれる試合が多くなった。昨年11月29日に37歳になった。多くは期待できないのではないかと思われる。

本塁打王にも輝いたメヒアは実績十分だが…

 郭俊麟は、国立台湾体育運動大学時代に国際大会で活躍。台湾では有名な投手だったが、NPBでは通算3勝どまり。2017年は1軍、2軍ともに試合出場なし。西武は今季から西武、オリックスで登板経験のある許銘傑を2軍コーチに招聘し、郭俊麟の心身のケアに当たらせている。

 野手は一人。

〇内野手
メヒア32歳 NPB4年 1725打数438安打115本塁打318打点、打率.254

 本塁打王になったメヒアは実績十分だが、昨年後半は山川穂高の台頭で、ベンチを温めることが多くなった。一塁は、中村剛也も守る可能性があり、3人のスラッガーが争うことになる。もちろん、DHでの起用も考えられるが、昨年は388打席で100三振、37四球と粗さが目立った。相手投手に弱点を覚えられた感もあり、奮起が必要だろう。

 西武は昨年、6人の外国人投手を起用したが、このうちシュリッター、ガルセス、キャンデラリオ、ファイフを放出した。シュリッターは64試合に登板し32ホールドを挙げたが、後半戦成績が下落したこともあり契約を延長しなかった。しかし、それに代わる補強は十分にできているとは言えないだろう。

 実績あるウルフもベテランの域にあるし、他の3投手は実績が乏しい。今後も、新たな外国人投手を獲得する可能性があるのではないか。また打者もメヒアの成績次第では、新たな戦力を入れる可能性はあるだろう。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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