新戦力 2018V長崎⑧  背番号10 MF黒木聖仁(28)一回り成長した姿を  

 3年ぶりにV・ファーレン長崎へ帰ってきた。J1昇格プレーオフに進んだ2015年、リーグ戦34試合に出場し、中盤の底で存在感を放ったMF黒木聖仁。「あの時は昇格できずに悔しかった。(J1に)上げてもらってから戻るのはどうか」。そんな思いもあったが、やはり、ここで戦いたかった。

 宮崎県出身。日章学園高卒業後の08年、当時J2のC大阪に入り、10年のJ1復帰に貢献した。U-21日本代表にも選ばれ、10年アジア大会で優勝。14年から2年間、V長崎のために全力を尽くした。

 16、17年は当時J1の甲府で活躍し、もう一回り成長した。個々の質が高いJ1で必要となるのは「全員が同じ方向を向いて戦うこと」。初めて参戦するチームにとっては貴重な存在だ。日本最高峰の舞台で積み重ねた経験を糧に、「プレーで結果を残すしかない」と恩返しを誓う。

 自信があるのは「キープ力」。中盤でためをつくり、しっかりと味方の動き出しに合わせてパスを繰り出す。ボールを奪いに来る相手にも動じず、いなしてから裏を狙える。かじ取り役として、落ち着いて試合を組み立てる力が持ち味だ。182センチの長身も武器になる。

 「待っていました」「おかえりなさい」と復帰を喜ぶファン、サポーターも多い。背番号は3年前の「20」から「10」に変わった。「誰からも似合うと言われない」と笑って謙遜するが、チームの期待は大きい。「自分なりに、できることをやっていく」

3年ぶりにV長崎へ復帰したMF黒木=諫早市サッカー場

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