熊日30キロロード女子で引退 西川生夏(熊本中央高出)

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古里熊本での最後のレースに挑む西川生夏(シスメックス)=神戸市

 「地元の皆さんに笑顔で走っている姿を見せたい」。18日の金栗記念第62回熊日30キロロードレース女子で、現役最後の試合に挑む熊本中央高出身の西川生夏(シスメックス)は言葉を丁寧に選びながら答えた。

 高3の時、初めて女子の部が設けられた。そのレースを車に乗って観戦。「『いつかは自分が走る』とまでは思わなかったけど、憧れの大会だった」と振り返る。

 全国トップ選手が集う名城大に進むと、170センチの長身を生かした走りを磨いた。2007年の都道府県対抗女子駅伝では2区で20人抜きして8位入賞に貢献するなど、熊本の代表としても奮闘した。07年と09年のユニバーシアード大会では、1万メートルで5位と4位に入り、国際大会でも活躍した。

 ただ実業団入り後は伸び悩み、走るバランスを崩していた時期もあった。「正直いつやめようかとばかり考えていた」。本田大造監督(46)は「いわゆる『ぬけ病』。原因は分からないが、脚が流れて地面に力が伝わらず、スピードが乗らなかった」と説明する。

 引退の文字が頭をよぎった昨年、監督と話し合った。結論は「もう1年頑張って、後輩たちに競技に打ち込む姿勢を見せよう」。そんな時に出場した2度目の熊日30キロは1時間48分36秒で6位。「目標タイム、順位をクリアできた。練習もしっかり積めて、走ることの楽しさを感じた」。充実感を味わったのは久しぶりだった。

 走り続けて節目の30歳となった。「長く競技を続けられたのは多くの支えがあったから。ちゃんと終わる場所があるのは幸せなこと」。新たな道に進む前に、憧れの大会を集大成とする。(山下友吾)

(2018年2月13日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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