大きな意味持つ“捕手復帰” 「4割打者」ハム近藤、紅白戦で2年ぶりマスク

日本ハム・近藤健介【写真:石川加奈子】

4割の打撃は進化を狙う「新たな自分に合ったいい感覚で」

 日本ハムの近藤健介捕手が12日(日本時間13日)、紅白戦に「3番・捕手」で先発した。昨季出場の57試合はDHか外野手での出場で、2016年以来2年ぶりのマスク。「まだまだ1軍で出られるレベルではない」と辛口の自己評価だったが、慣れ親しんだポジションに就き、打席でも3打数2安打の活躍で充実の表情を浮かべた。

 新外国人投手ロドリゲスの球を受けた近藤は「久々の感覚」と振り返る。腰の故障でシーズンの約半分で戦列を離れた昨季は、捕手としての出場はなし。「やっぱりすべてにおいて、キャッチングにしろ、ブロッキングにしろ、スローイングにしろ、そこが全然忘れている」と話す。

「またゼロからだと思う。2年やっていないので、そこを1つ1つクリアしていかないといけないと思います」と課題を掲げる近藤と同様、栗山英樹監督はこの日、松本剛を2年ぶりに二塁で起用。指揮官は「渋滞しているポジションがあって、優勝するんだったら重なる戦力が使えないようでは」と、チーム編成の可能性に幅を持たせるために「何ができるのか、いろいろやっていきたい」とした。

栗山監督の意図を理解する近藤「チームにとってプラス」

 その意図は近藤にも伝わっている。「やっぱりキャッチャーで出られるのはチームにとってプラスですし、そこは追い求めていきたいところ」とキッパリ。「キャッチャーは一番頭を使いますし、打撃にも配球の読みを使うことができる。つながって来る部分はすごくあるので、つなげていきたいと思います」と、昨季は規定打席未達ながら.413をマークした打撃にもつなげる心構えだ。

 打撃では、さらなるバージョンアップを狙う。昨年6月にヘルニアの手術を受け、腰の不安を一掃するために体幹周りに気を配るなど、トレーニング方法も変えた。その上でバッティングの土台はそんなに変わらないながら、「去年の感覚を掴むというよりは、新たな自分に合ったいい感覚でボールを捉えられるようになるのが一番」と話す。その過程で、この日は2打席目に左翼へ二塁打、3打席目にはフェンス直撃の中越え二塁打をマーク。「どんどん振っていくことがテーマ。振って感覚のズレを修正しなければいけない中で、2打席とも修正できたのはよかった」と内容にも結果にも手応えを掴んだ。

 アリゾナでの日々は残りわずか。「みんな刺激しながら、いい競争ができている」という雰囲気を、17日から始まる名護キャンプでも続け、2年ぶりの日本一に突き進みたい。

(Full-Count編集部)

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