新戦力 2018V長崎⑨ 背番号30 GK 徳重健太(33)“古里”に戻った守護神

 国見高時代、全国高校選手権2連覇など5度の日本一の立役者になった守護神が、長崎に戻ってきた。プロ生活17年目、環境を変えたいと思っていたときに届いた“第二の古里”からのオファー。「一番初めに声を掛けてもらった。すごくお世話になった地でやろうと決めた」

 生まれ育った鹿児島から、強いチームを求めて国見高に進んだ。体を張った守備と仲間を鼓舞する大きな声で2年からレギュラー。1学年上のFW大久保嘉人(川崎)らと高校3冠を達成、主将を務めた3年時も2冠に輝いた。

 卒業後の2002年、J1浦和に入団。05年8月に神戸へ移籍して頭角を現し、11年はJ1で全試合フル出場した。J2だった13年、チームはリーグで2番目に少ない41失点でJ1に復帰。自身も中盤以降、正GKとして貢献した。

 その年、リーグ最少の40失点だったのが、J2に参入したばかりのV長崎。青春時代を過ごした地にあるプロチームのことは「気になっていた」。そして昨年、J1昇格を決めた終盤の勢いが目に焼きついた。神戸で過ごして13年。「よくも悪くも慣れがあって難しい時期だった」。九州からはい上がってきたチームを新天地に選んだ。

 「練習の雰囲気がすごくいいな」。今季からチームメートになった国見高時代の同級生のDF徳永、後輩のMF中村北と話している。「選手たちが高木監督のことを信頼し、いい形に自分たちでつくっていこうという空気がある。経験をしっかり伝えていきたい」。ベテランの力でチームを支えていく決意だ。

抜群のシュートストップと豊富な経験でゴールを守るGK徳重=沖縄県金武町陸上競技場

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