月収12万円だったしょぼい起業家が、新しいビジネスを立ち上げて3ヶ月で収入を30倍にした話/小泉 憲一

6年前、終わりの始まり

ああ、もうダメかもしれない・・

サプライズを企画する会社をはじめて6ヶ月。

オフィスが無いおかげで大きな固定費はないが、

収入源のあるビジネスじゃないのに社員を雇ったせいで

毎月100万円以上のお金が飛んでいく・・

社員に給料を払うために、自分の手元に残すお金は

月々の少ない生活費の12万円が限界。

つまり、月収12万円


これが起業して6ヶ月もたったその頃の私の月収だ。

用意した600万円も底が見えて、通帳の残高も20万円を切った時

頭のなかをいろんなことがよぎった。

このままどこかへ逃げちゃおうかなぁ・・

今まで何度もうまくいかないことがあっても、

なんとか切り抜けてやってきた。

でも、もう限界かもしれない。

私はパソコンの中の数字とにらめっこして頭を抱えた。

いいアイデアだと思ったんだけどな・・。

サプライズの企画会社を立ち上げ、

はじめのうちは友人や知人も面白がってサービスを利用してくれた。

会場を借り切って誕生日のサプライズパーティや

日常に突然サプライズがやってくるようなことを企画する会社。

だけど、人を雇っているのに単価が安いせいで、

毎月赤字が積み重なる一方だった。

広告を出しても反応はなく、駆け出しの弱小会社にお金を

貸そうという銀行もなかった。

「倒産」の二文字が何度も頭をよぎっていた。

ああ、お金さえあればなんとかなるのに・・

そんな時、携帯がブルブルとふるえた。

えええ??このタイミングで!?!?

し、師匠からだ!!!!!!

私の師匠はなんと6つ下で名前を「くぅ」という。

マッチングの会社を10社経営しながら(2008年当時)、

とてつもない人脈を持っている元銀座の超高級クラブのトップの美女だ。

私は彼女から人間としての考え方や起業のノウハウや

マーケティング、投資などを学んで起業した。

でも、彼女から教わったマインドやノウハウを頭の隅に

追いやってしまって自分の考えで突っ走ってしまっていた。

自分の考えにしがみついたから、この結果なんだ・・

そんなことを思いながら、電話で彼女の声に耳を傾けた。

くぅ

ちゃんと壊してる?ちゃんと手放してる?

は?どういうこと??

彼女の言うことはいつも意味不明なことだらけだ。

くぅ

どうせ、いろんなことに執着して身動きがとれないんでしょ?

いったん手放してみればきっとスッキリするわよ

こいけん

つくった会社を閉じろっていうこと??

くぅ

そんなこと言ってないでしょ。今までの固まったモノの見方を捨ててあたらし考え方をインストールしたらってこと。

こいけん

新しい考え方?

くぅ

あなた、がんばって稼いでいい暮らしをすることをゴールにしたりしてるでしょ?

こいけん

え?それじゃあダメなの?

くぅ

そもそもあなたは、なんでサプライズの会社を始めようと思ったのよ?
その「思い」の部分を忘れて、ビジネスがうまくいくはずなんてないし、幸せになれるわけなんてないじゃない。

こいけん

う・・・・

くぅ

大丈夫、どんな時だってうまくいく方法なんてのは何万通りだってあるんだから。

こいけん

で、できたらアドバイスをもらえたら嬉しいんだけど・・

くぅ

久しぶりに会って話でもしようか?

こいけん

も、もちろん!お願いします!!!!

私は彼女の申し出に、かぶり気味に返事をした。

2年ぶりの(恐怖の)再開

そして、2年ぶりに彼女に会うことになった。

前にコンサルをしてもらっていた高級ホテルのラウンジ。

懐かしい・・

昔、ここでこてんぱんにされたなぁ・・

思い出すだけで、心臓がきゅーっとなったが、

今はそんな自分のちっぽけなプライドのために

虚勢を張ってる場合じゃないとじぶんに言い聞かせた。

しばらくすると彼女が現れた。

相変わらず可愛い顔立ちにふわっとした服装。

とても10社を経営している敏腕オーナーには見えない。 

以前よりも少し大人びた雰囲気になったが

どこか凛とした空気感は変わらない。

くぅ

で?何を問題だと思い込んでるのよ?

こいけん

いや、思い込んでるっていうか・・
実際、大変な問題なんだよ!

くぅ

は??どんな時でも状況は問題じゃないわ。
あなたの在り方に問題があるだけなのよ?

私との授業で言ったこと、忘れたの?

こいけん

うっ・・・・

くぅ

あなたが、目の前にあることを楽しんで感謝しなきゃ現実が変わるわけなんて無いでしょ?

全部をワクワクが止まらないゲームだっていう捉え方をしなさいって教えたわよね?

ちゃんと今の状況に感謝してるの?

こいけん

なんか、批判とか不満ばっかりだったかも・・

くぅ

遊ぶ、ワクワクするっていうエネルギーだけが、現実を楽しい物にするんだからもっと楽しみなさいよ。

こいけん

う、うん・・

くぅ

変化をし続けること、今までと違う選択をすることが成功する秘訣なんだからね?

こいけん

は、はい!!

で、、具体的な話なんだけど・・

くぅ

わかってるわよ。

じゃあ、具体的にいくつか質問するから覚悟しなさいね。


それからボロクソ言われながらも、彼女に3時間コンサルを受けただけで、

新規の事業のアイデアが2つ思い浮かび、わずか2ヶ月でそのうちひとつが形になった。

具体的に何を言われて、なにをしたのか?

基本的にはたくさん質問をされただけ。

特にその中でも「自分に関わる人の困っていることは何?」

という質問のおかげで、うちの会社は復活した。


そのビジネスにお金を払ってくれるお客さんがいるか「リサーチ」をしたか?

★そのビジネスをやる「絶対的な理由」を意識していたか?

★枠を広げていたか?小さくまとまらずに基準を上げて考えていたか?

★お客さんに提供できる「体験価値」はなんだったのか?

★億万長者の自己紹介はちゃんとつくっていたか?

★今の自分のビジネスプランに点数をつけるとしたら何点?

 なんでそのプランは0点じゃないの?

 その点数が70点になるにはどうしたらいい?

★お客さん、コラボ相手の困っていることはなに?

★関わるみんなが幸せになる仕組みをつくるには?

 人や場所、時間のスキマを埋める方法は?


くぅ

で、何か困りゴトを集めることはできたの?

こいけん

うん、会社立ち上げの資金集めでサプライズのアイデア集をつくった時に協力してくれたウェディングプランナーさんたちに今困っていることを聞いてみたんだ。

くぅ

で?

こいけん

とにかく給料が安いのが一番の悩み。
他には営業がうまくいかなくて困っていたり、中には金額や妊娠で結婚式が流れて、そのまま式をしない人が多いのが困ることだって。

くぅ

うんうん

こいけん

で、いろいろ悩みを聞いているうちに、昔のことを思い出したんだ。
会社の後輩が結婚したんだけど、奥さんが子連れで2回めの結婚だったから式を挙げなかったんだよね。そこでうちらが計画をしてレストランを貸し切って本人たちに内緒で手作りの結婚式をしたことがあったんだ。

くぅ

へえ、すごいじゃない

こいけん

その時の奥さんの感動と涙でぐちゃぐちゃになった顔と旦那のうるうるした顔が忘れられなくて。

このサービスをプランナーさんたちが契約できなかった夫婦向け(結婚式をあきらめた夫婦向け)にできたら面白いんじゃないかって考えた。

くぅ

うんうん

こいけん

集客はプランナーさんにしてもらう。旦那からうちの会社に連絡をもらって奥さんに内緒で式を準備する。
結婚式はお金をかけずに、チャペルは写真のみ。

披露宴をする会場に移動したら、みんながいてそのまま結婚式を挙げてしまう。

プランナーさんに紹介料をプレゼントできるし、
プランナーさんの会社の仕事になることもあるし

くぅ

なかなかステキなアイデアじゃない?

そのビジネスでコラボできる相手を何人かあげるとしたら?

こいけん

コラボ??

・・・

そっか!レストランともコラボだし、カメラマンやプランナーさんにも他の仕事が振れるかも・・
花屋さん、引き出物業者、ドレス業者・・

ああ、そう考えたらすごい広がるよ!!

くぅ

どうしたら相手のスキマを埋めてあげられるか?

と考えてみるといいかもね

こいけん

相手の隙間を埋めてあげれば、お互いにWin-Winだ!

あえて結婚式をする日を平日に限定してもいいかもなぁ・・

友だちからドレス写真を撮るプランをプレゼントされたカタチにして、夜披露宴会場で仕事上がりの友人や親族がいつの間にか全員集合してる形式にしたら・・

やばい、考えただけでワクワクする!

くぅ

大丈夫?顔がにやけてるけど?

こいけん

あ・・w 

ホント、このカタチなら会場も安く抑えられるし、何より関わるみんなが感動やサプライズを仕掛けるがわになれるし最高だよ!

さっそくプランナーさんとカメラマンと会場にオファーする!


それから2週間、一生でこれほど働いたことがある?

っていうくらいあちこちにオファーを出しまくった。

130人のフリープランナーと、200ヶ所以上の会場と、

安くドレスをレンタルできる会社、カメラマンやデザイナーに

オファーを出してまくった。

そして、その結果は・・・

ありえないくらいの

「まったく相手にされない」だった。

もう、なんど心が折れそうになったか分からない。

心のなかでは

こんなにいいアイデアなのに・・

なんでみんな分かってくれないんだ?というイラ立ちがあった。

でも、ふと昔彼女から言われ続けていた、

「あきらめる場所(回数)を決めるのは自分でしかない」

っていうマインドを思い出してオファーを続けた。

何より、これが形になった時のことを考え続けて

ワクワクを思い出して行動を続けた。

それでも、なかなか協力してくれる人が現れない・・

そりゃそうだ。

こんな無謀なアイデアがうまくいくかどうかなんてぜんぜん分からないんだから。

変に協力するなんて言ってしまったら、自分が巻き込まれてやけどを負うかもしれない。

もし、自分の所にこんな話が来ても「あやしい」と思うかもなぁ。。

凹みそうになったら、

「あと5人に断られたらちょっと休もうかな」と考えながら、

でも少しでも話を聞いてくれた人に感謝の気持を伝えることは忘れなかった。

頭のなかで、このビジネスが始まってたくさんのお客さんが笑顔になったり、

社員たちが笑顔でやりがいを持って働いている状態をイメージしまくった。

そして、オファーをかけ始めてから5日目。

ついにプランナーさんの中から

「おもしろそうだから協力したい」という人が現れた。

フリーで仕事をしている人で、

とにかく行列ができる有名なプランナーさんだった。

その人から、提携できそうな会場のリストもいただき、なぜだかどんどんに協力者が増え始めた。

そして、さっそく3件ほど結婚式の案件をもらうことができた。

さらに提携の会場が30会場、カメラマン3人、

集客をしてくれるウエディングプランナーさん20人。

プランナーさんに紹介料を払っても1件あたり、40万~の利益が出る。

まずは運転資金を集めるために、

旦那様からの前払いで30万円を預かる仕組みにした。

プランナーさんのクチコミ効果で

2ヶ月足らずで30件のサプライズウエディングへの申し込みがあった。

つまり、たった2ヶ月で売上のなかった会社が

1000万円を稼げるまでになったんだ。

自分の手元には400万円程度のお金が残るようになった。

彼女との再開から2ヶ月のできごと。

そこから先、ビジネスが拡大するのはあっという間だった。

結婚式の参列者にもチラシを渡し、

集客の手伝いをしてくれるプランナーもどんどん増えていった。

もちろん、実際の現場では失敗がたくさんあったけど、

自分のワクワクすることをビジネスにして仕組みをつくって稼ぐことが楽しくなった。

私が人生で一番大切にしている「自由」を守るために、HPもつくらず水面下で動くことも決めた。

でも、なぜか楽しそうなサービスがあると聞きつけてか、どんどんお客さんが集まってきた。


くぅ

とりあえずは、よかったじゃない

こいけん

ありがとう、アドバイスのおかげでこんなに楽しい毎日になったよ!

くぅ

それは違うわよ?アドバイスをしたって、何もしない人は何もしない。
あなたは、あきらめずに行動したから結果が出た。

ただ、それだけのことなんだからね。

こいけん

う、うん。

くぅ

でも、なろうと思わなきゃ何者にもなれないし、
逆に自分はこういう人間なんだ!と決断したら
あなたはどんな人間にだってなれる。

こいけん

うん!
失敗する人は決断が遅くてすぐにあきらめる。
成功する人は決断が早くてあきらめない。
だったよね。

くぅ

そう、志を実現させたかったら
「あきらめることをあきらる」必要があるの。

こいけん

うん、あきらめないよ!

くぅ

すべてのものは良くすることができるし、
すべてのサービスに終わりなんて無いわ。

あなたは常に流し続けてね。

動きが止まった時できないと思ってしまうブレーキや恐怖はただの幻想だってことを忘れないで。

状況が問題なんじゃなくて、あなた自身の在り方がすべてだからね!

迷っている時間は人生で最もムダな時間。

直感に従ってワクワクする人生を楽しみなさい。

こいけん

うん、ほんとにおかげさまだよ。ありがとう!

くぅ

この世は愛で溢れてるよ。誰がなんと言おうと愛で溢れてる。

この地球に生まれて生きている時点であなたは選ばれた人間なんだから、もっと安心して思い切って前に進んで。

恥をかくことを恐れないで。

こいけん

うん、捨てるよ。恥かくことへの恐れなんか

くぅ

つくりなさい、世界を。

あなたなら必ずできるし、そういう人たちを育てることもできるから。

この世界を面白く、もっと愛で満ち溢れたものにしてね。

こいけん

う、うん・・・

なぜだか良くわからないけど、ジーンとしてしまった。

彼女はひと通りしゃべり終えると、

くぅ

じゃあ、また何年か後に会えるのを楽しみにしてるわ♪

と、最強に可愛い笑顔でしれっと伝票を置いて去っていった。


これが、しょぼい男が復活した変なお話です。

今の時代は、ほんとうに自分の選択次第でなんでもできる。

あなたがどこに行くか、だれと会うか、何をするかに制限なんて

ひとつもないんです。

身分制度があって、できることを制限されることもないし。

どんな会社に勤めていようが昨日と同じことをしなきゃならない絶対的な法律もない。

すべては自分が選んで行動できるんだから。

電話ひとつで、ネットひとつで

どんなに遠くの人にだってつながることができる。

すべては自分が選んでる。

もっともっと、自分の心と向き合って、大切なことをしよう!

このお話が、1mmでもあなたの参考になれば嬉しいです(^^)

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こいけん

著者:小泉 憲一 (from STORYS.JP)

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