愛知製鋼のMIセンサ、自動運転実験を長野で開始 運転者不在での走行も

 愛知製鋼(社長・藤岡高広氏)が開発した超高感度磁気センサ「MIセンサ」、新技術「磁気マーカシステム」を生かした、国土交通省主催の自動運転実証実験が10日、長野県伊那市の道の駅「南アルプスむら長谷」でスタートした。

 これは、国交省が高齢化の進む中山間地域での人の移動、物流の確保を目的に、2020年までの実用化を目指して全国13カ所で実施する取り組み。

 初日の10日には白鳥孝伊那市長、浅野弘明愛知製鋼副社長らが出席の下で開始式を開催。概要説明などを行った後、先進モビリティ社の20人乗り小型バスにMIセンサを用いたモジュールを取り付けた実験車両の試乗会を行った。

 試乗会では運転者が運転席に着席した上で、車両が加速、操舵などの操作を行う「レベル2」で実施した。400メートルのコース中、200メートル区間に約2メートル間隔で磁気マーカシステムを設置。車両の位置を正確に捉えながら時速15キロメートル程度で自動運転した。

 16日までの期間中、約5キロのルートを「レベル2」で走行実験するほか、同システムでは全国初となる「レベル4」(運転者不在の自動運転)での走行実験も実施する予定。

 今回の実証実験を通じて、交通事故の減少、燃費向上にもつながるとして注目を集める自動運転システムが実用化に向けてさらに前進しそうだ。

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