中日小笠原が驚きの317球熱投 最多「330球」の松坂が語る投げ込みの効果とは

沖縄キャンプに参加中の中日・松坂(左)と小笠原【写真:福谷佑介】

自身最多の投げ込みを行った小笠原「チャンスだなと」

 どんどんとその数は膨らんでいった。投げて、投げて、投げ続けた。その数、実に317球。中日の沖縄キャンプ第3クール初日、好天に恵まれた北谷公園野球場のブルペンで、小笠原慎之介投手が驚きの球数の投球練習を行なった。

「前から今日が暖かいと聞いていたので、チャンスだなと思った。前日がオフで体を休めてあげられたし、やるなら今日しかない、と。悪い部分もあったし、多少はいい部分もあった。200球を超えてから、いい球はあったので、やってきたことが身についているのかなと思います」

 小笠原は投球練習終了後に、こう語った。左腕自身も過去最多という投げ込み。果たして、このように200球、300球を超える投げ込みをする意図はどこにあるのだろうか。

 20歳の左腕が317球の投げ込みを行ったことを聞くと「言っていた数の倍くらい投げてますけどね」と話し出したのは、今季から中日に加わった松坂大輔投手だった。オフだった前日には吉見一起投手とともに小笠原と夕食に食べに出かけた右腕。自身、このキャンプは慎重に調整を進めているが、元来はボールを投げ込んで、フォームを作り上げていくタイプだった。

松坂の最多は「330球くらい」、「フォームの作り方は人それぞれ」

「僕は最多は330球くらいかな。2006年くらいですね。僕は物覚えが悪いので、投げて覚えさせる意識でしたね。体を作る上で必要なトレーニングだと思っていたので。疲れてからのフォームは自然で、いいフォームだったりする。疲れてからいいフォームで投げて、身につけていくイメージですね」

 ボールを多く投げ込んでいき体が疲れてくると、余計な力が抜けてくる。理想的なフォームで投げられていなければ、いいボールはいかない。体の無駄な力を使わずにいいボールを投げることにより、望ましい形を体に染み込ませていくのだという。近藤真市投手コーチも「疲れてからどうなるか。球数いったら、下半身を使わない投げられない」と話していた。

「フォームの作り方は人それぞれ。投げ込んで作るタイプ、そうでないタイプとあるとは思います」とも松坂は言う。

 300球とまではいかないまでも、他球団でも200球前後を投げる投手はいる。肩は消耗品とも言われるが、数多く投げることはマイナス面ばかりではないようだ。

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