一流選手を輩出し続ける野球大国 「沖縄県出身」のパ所属の主な選手は?

ソフトバンク・東浜巨【写真:藤浦一都】

名選手を輩出する沖縄県

 沖縄尚学高校や沖縄水産高校、興南高校といった野球の強豪校がひしめく沖縄県。野球熱の高さは折り紙付きで、過去には伊良部秀輝氏、新垣渚氏といったパ・リーグの名選手たちを輩出しており、長年野球どころとしての存在感を示し続けている。

 ちなみに、ロサンゼルス・ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は母親が日本人であり、出生地は沖縄。ダルビッシュ有投手と前田健太投手が登板した昨年のワールドシリーズは、日本出身・沖縄出身の監督が初めて指揮を執るという歴史的なシリーズでもあったのだ。

 沖縄は長きにわたって優秀なプロ野球選手を輩出し、現在も多くの選手たちがそれぞれのチームで存在感を発揮している。そこで今回は、パ・リーグに所属する主な「沖縄県出身選手」を紹介していきたい。

【北海道日本ハム】
〇上原健太投手
〇高良一輝投手

 上原は2015年ドラフト1位。過去2年はプロの壁に苦しんでいるが、昨年8月20日に行われた埼玉西武戦において、5回無失点でプロ初勝利をマークした。昨年プロ1年目を終えたばかりの高良とともに、今後の飛躍が期待される。

【楽天】
〇伊志嶺忠捕手
〇島井寛仁外野手

 昨年イースタン・リーグで盗塁王に輝いた島井は、育成として3年を過ごし、今オフ、支配下へ返り咲いた。「やっとスタートラインに立てたという気持ち。支配下になるからには1軍の戦力になり、活躍しないといけない」と闘志を燃やしている。

73試合で23発を放った西武・山川

【埼玉西武】
〇多和田真三郎投手
〇與座海人投手
〇山川穂高内野手 など

 2015年ドラフト1位の多和田は、昨季は16試合で2試合連続完封を含む5勝5敗、防御率3.44という数字を残した。シーズンを通じてローテーションを守ることができれば、自身初の2桁勝利に手が届く可能性は十分だろう。

「オリオンビール」でおなじみの山川も沖縄出身。わずか78試合で23本塁打を放つ圧巻の打棒で4番の座を確保した。今季は自身初の打撃タイトルを獲得して、名実ともに「おかわり2世」となれるだろうか。

【千葉ロッテ】
〇大嶺祐太投手
〇大嶺翔太内野手 など

 毎年石垣島でキャンプを行っている千葉ロッテ。その石垣市出身でもある大嶺兄弟は、今やファンにとってもおなじみの存在だ。通算119試合に登板して28勝を挙げている兄・祐太と、昨季自己最多となる91試合に出場した弟・翔太。今季こそは、兄弟そろって1軍で活躍している姿を見せてほしい。

育成からの復活目指す甲子園V腕

【オリックス】
〇比嘉幹貴投手
〇大城滉二内野手 など

 比嘉は、2014年に62試合7勝1敗20ホールド、防御率0.79という圧倒的な投球で、「切り札」と称された。その後は故障もあって思うような活躍ができなかったものの、昨季は復活の兆しを見せている。彼の完全復活は、チームにとって大きな補強となるだろう。

 大城はプロ2年目の昨季に大幅に出場機会を増やした。興南高校では甲子園春夏連覇に貢献して故郷に歓喜をもたらしたが、このまま主力の座をつかみ取り、いずれは神戸の地にも栄冠をもたらす存在となれるか。

【福岡ソフトバンク】
〇東浜巨投手
〇嘉弥真新也投手
〇島袋洋奨投手 など

 昨季、最多勝に輝いた東浜。3球団競合の末にドラフト1位で入団しながら、これまで苦しんでいたかつての「東都の奪三振王」は、ついにそのポテンシャルを開花させた。先発陣の柱、勝ち頭、そしてエースへ。今季も、その身にかかる期待は大きい。

 嘉弥真サイドスローに転向した昨季、森福允彦投手(現・巨人)の穴を埋める左キラーとして大活躍。今季も、緊迫した場面で強打者を封じ込める切り札として、さらなる進化を見せてくれるだろうか。

 沖縄県勢初の春夏連覇を導いた「トルネード投法」が記憶に残っているファンは多いだろう。島袋は故障の影響もあって、今オフ、育成選手として再出発を図ることになった。今なお多くのファンが、その復活を願っている。

 以上のように、各球団で主力として活躍する選手や、息の長い現役生活を送っている選手も多く存在しており、「沖縄出身」はパ・リーグにおいてひとつのブランドを作り上げていると言っても過言ではない。昨季の東浜や山川のように、大ブレイクを果たしてチームの成績をも押し上げる選手が、2018年も現れるだろうか。パ・リーグに熱い風を巻き起こす「しまんちゅ」たちの活躍に、今後も要注目だ。

(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2