ハム栗山監督がキャンプイン大谷に安堵「俺はすごい安心した。大丈夫だね」

日本ハムのキャンプを訪問した大谷翔平と談笑する栗山監督【写真:盆子原浩二】

フリー打撃開始直前に訪問、柵越え7本を見守る

 14日(日本時間15日)にキャンプインしたエンゼルス大谷翔平投手を、日本ハムの栗山英樹監督が突撃訪問した。33スイングで7本柵越えしたフリー打撃の様子をケージ後方から見届けると「俺はすごい安心した。大丈夫だね」と安堵の表情を浮かべた。

 2月1日からアリゾナ州スコッツデールで1次キャンプをはっていた日本ハムは、この日が最終日。午前中の練習で米キャンプを打ち上げた。一方の大谷はこの日がキャンプイン。練習が終わって手締めの話をしている時に、大谷がまだフリー打撃をしていないことを小耳に挟んだ栗山監督は「1回どういう環境なのか確認したいと思っていたんだよね」と、車で25分ほどの距離に位置するエンゼルスのキャンプ施設訪問を決めた。

 到着したのは、フリー打撃開始直前。ソーシア監督らと挨拶を交わすと、打撃ケージの後方から大谷のフリー打撃をじっくりと見つめた。

 メジャーの打撃練習は日本と違い、打撃投手はマウンドよりも前に立ち、短い間隔でボールを投げてくる。時折打ち損じてファウルにすることもあったが、「このBP(打撃練習)のやり方だと、ああいう打球しかいかないと思う。ただ試合になれば大丈夫。あとはこっちの動くボールに対応してくれると信じている。そういったものをすべて超えてきてくれる選手なので」と頼もしそうに見つめた。

栗山監督「余裕を持たない翔平はすごく素敵」

 大谷は豪快な打球を飛ばしながらも、やや緊張した面持ちを見せる場面も。栗山監督は「緊張感を持っていて、ああいう翔平っていいよね。余裕を持たない翔平はすごく素敵なので。その方が力を発揮しやすいタイプだから、久々にああいう表情を見られてよかったね」と目を細める。

 フリー打撃終了後に言葉を交わし、激励した。「『来んなよ、お前。何来てるんだよ』って思ってる、絶対に」と笑いながら大谷の心中を察したが、野球の神様が与えてくれた絶好機を逃せなかった。

「悪いけど、こんな近くにいてよ。この歴史的な日を、やっぱりさ。無理には来ないよ、自分のチームがあるんだから。でも、これは野球の神様。来なきゃいけないと思っちゃったんだよね」

 報道陣の対応を終えた栗山監督は、帰り間際に振り返ると「よろしくお願いします。番記者の皆さんで支えてやってください」と“お願い”をした。5年育てた“我が子”の旅立ちは頼もしくもあり、少し切なくもあるようだった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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