神戸の大型物流施設、JFEシビルが受注、竣工

 JFEシビル(社長・藤井善英氏)は14日、兵庫県神戸市で建設を進めていた大型物流施設「GLP神戸西Ⅱ」が竣工したと発表した。鉄骨造4階建て、延べ床面積7万1486平方メートルのマルチテナント型先進的物流施設で、同社の二重鋼管座屈補剛ブレースを100本以上配置し、耐震性を高めている。

 施主は日本GLPでJFEシビルが設計・施工を担った。1階と3階にトラックバースを設置することで1・2階と3・4階の2層使いを可能にした。床荷重は1・5トン。動線計画では敷地への出入口を北型の前面道路に2カ所設け、東側を入口専用、西側を出口専用として敷地内を一方通行とすることで安全を確保している。

 六甲山系の堅固な岩盤に立地しているため直接基礎構造を採用。岩盤を破砕しながら3万8千立法メートル超を掘削し、梁背3メートル超の地中梁を構築した。複数のコンクリート混和剤を試験し、最良の配合を見出すことでスラブコンクリートのクラック抑制と不陸の低減を図るなど品質管理にも細かく気を配った。

 外装材に高い断熱性のある材料を採用した高断熱倉庫で、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)はAクラスを取得。また、食品物流に対応できるよう虫害防止対策としての低誘虫ランプを採用しているほか、冷蔵冷凍倉庫や洗浄機対応など設備にも配慮した建物となっている。

 施設内の4階には共用部として休憩場を設置。神戸のイメージをモチーフに海・山・町の3つのエリアに分け従業員が好みのエリアで食事や休憩ができるような空間とした。さらにBCP対策として非常用発電設備を設置。全館をLED照明とし、倉庫内の換気は気流解析により淀みのない空気の流れとするなど環境面にも配慮した施設となっている。

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