ベンチプレス全日本選手権 金沢消防署・水野さん準Ⅴ 232.5kgで自己ベスト更新 横浜市金沢区・横浜市磯子区

メダルと賞状を手にする水野さん

 金沢消防署に勤務する消防士長の水野瑛(よう)さん(26)が1月27日、和歌山県で行われた「全日本ベンチプレス選手権大会」の一般男子66kg級で準優勝した。近年は首痛に悩まされたがフォーム改造などに取り組み、けがに強い身体を作り上げて復活。自己ベストの232・5kgを上げた。

 ベンチプレス競技は台に仰向けになってバーベルを上げ、3回の試技で最も重いウエイトを記録した選手が優勝となる。水野さんは9選手がエントリーした一般男子66kg級に出場した。

 1回目で220kgを記録。2回目でこれまでのベストを7・5kg上回る232・5kgに挑戦し、これをクリア。3位以下を20kg以上引き離し、準優勝に輝いた。1位選手との差は5kg。「優勝を目指してやってきたので悔しさのほうが大きい」と振り返った。

ジュニアで世界3位

 身長164cm、体重65kg。高校時代は線が細く、体重50kg程度だった。筋力トレーニングで身体を大きくしようと、その頃から自宅がある港南区のスポーツセンターに通うように。現在所属するジム関係者に声を掛けられ「新しいことにチャレンジしたかった」と21歳から本格的なトレーニングを開始。その後は「重いものを持ち上げた選手が勝つ」という競技のシンプルさ、分かりやすさに魅力を感じ、のめり込んだ。

 才能は瞬く間に開花。19歳〜23歳が出場するジュニア部門で2014年、15年と2連覇を達成。世界大会でも3位に輝いた。

けが乗り越え

 同署予防課所属の水野さんは仕事をこなした後、港北区の所属ジムなどで週4回トレーニングに励む。仕事と競技の両立では「睡眠をしっかりとるなど、規則正しい生活を送ること」を心掛けているという。上司で同課査察指導担当の菊田潤也課長は「日頃から先輩によく質問し、積極的に業務に取り組んでいる」と真面目な仕事ぶりを評価する。

 近年は激しいトレーニングの影響からか、首のヘルニアに悩まされた。前回の全日本選手権はバーを上げられず「記録なし」に。けがに強い身体を作ろうと、バーを持つ支点をこれまでより下げるフォーム改造や背中の筋力強化に着手した。

 今大会は5月に開催される世界大会選考会も兼ねており、結果を出したことで世界大会出場の可能性が高まった。「コツコツ頑張り続ける諦めない精神を仕事でも生かしていけたら」と水野さん。仕事と競技を両立し、”世界一”を目指す。

競技に臨む水野さん

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