〔霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)〕きょうも火山性地震を観測 噴火警戒レベル1は継続(2/16)

きのう15日に、浅い所を震源とする振幅の小さな低周波地震が発生した、宮崎・鹿児島県境の霧島山(硫黄山)では、きょうも火山性地震が観測されています。なお、火山性微動は観測されておらず、傾斜計の観測データに特段の変化は認められません。明日17日、気象庁機動調査班(JMA-MOT)による現地調査を実施する予定です。
気象庁では、2017年10月31日に発表した、霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)を継続し、硫黄山火口内の活発な噴気域及び熱異常域とその周辺の概ね100mの範囲では噴気孔からの高温の土砂や噴気、熱水等の規模の小さな噴出現象に十分注意するとともに、火山ガスにも注意が必要として、地元自治体等が行う立入規制に従うとともに、火口周辺や噴気孔の近くには留まらないよう呼びかけています。

【火山性地震の発生回数】(速報値含む)
       火山性地震
2月13日      1回
  14日      4回
  15日      8回(低周波地震2回含む)
  16日(00~15時) 1回

◆用語解説「低周波地震」
火山の周辺で起きる地震の1つ。地震波の周期が短く、P波・S波の明瞭な高周波地震に対して、低周波地震は地震波の周期が長いことが特徴で、震源の位置もはっきり求められないことが多い。火道内のガスの移動やマグマの発泡によって発生するものと考えられている。

◆霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の最近の火山活動の状況
<2016年>
・01/02 継続時間約2分30秒の振幅の小さな火山性微動が発生。この周辺で火山性微動が発生したのは2015年10月31日以来。
・02/28 周辺の浅いところを震源とする火山性地震が増加したことから、噴火予報(活火山であることに留意)を火口周辺警報(火口周辺危険)に引上げ。
・03/29 火口周辺警報(火口周辺危険)から噴火予報(活火山であることに留意)に引下げ。
 
・12/06 噴火警戒レベル運用開始。レベル1(活火山であることに留意)
・12/12 11:00過ぎから火山性地震が増加 11:40、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引上げ。

<2017年>
・01/13 14:00、噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)に引下げ。

・04/25 硫黄山周辺の一部の観測点で傾斜変動を観測。噴気の量も増加。
・05/08 東京大学地震研究所の現地調査により、硫黄山火口内で噴出物を確認。
・05/09 19:20、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引上げ。
・09/05 13:29、硫黄山付近を震源とする振幅の大きな火山性地震が発生し、えびの高原でわずかに身体に感じる揺れを観測。火山性地震も14:00までの1時間に50回観測される。
・09/08 噴気が稜線上300m以上に上がる。9月中旬以降は稜線上概ね100m以下に低下。
・10/31 14:00、噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)に引下げ。

<2018年>
・01/19 02:30頃、傾斜変動を伴う火山性微動が発生、火山性地震も一時的に増加。

・GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線の伸びが継続中。霧島山の深い場所でマグマの蓄積が続いていると考えられる。

霧島火山防災マップ

© 株式会社レスキューナウ