緻密な西陣織で若冲の名画再現 藤沢

 江戸時代の絵師、伊藤若冲(1716〜1800年)の「動植綵絵(さいえ)」30幅と「釈迦(しゃか)三尊像」3幅を西陣織で工芸作品として再現した展示会が、藤沢駅北口のさいか屋藤沢店5階ギャラリーで開催されている。実際の作品より一回り小さい横35センチ、縦70センチほどに織り上げ、掛け軸に仕立てている。

 1作品に使う経糸(たていと)は2700本、15色ほどに染め分けた緯糸(よこいと)は1万5千本。極彩色で緻密な描写を再現する技は、広げた帯に置かれた拡大鏡で確認できる。

 西陣織の技法をアピールし帯製品以外の受注につなげようと、京都の織元が通常の帯に使う3分の1の太さの絹糸を用いる「西陣美術織」という手法を開発。2016年の若冲生誕300年を機に33幅を紹介する全国巡回展を始め、藤沢は67会場目。33幅そろっての展示は県内初という。

 入場無料。20日まで(最終日は午後3時まで)。

© 株式会社神奈川新聞社