<レスリング>UWWが無気力試合のイラン選手に半年間、コーチに2年間の出場停止処分を下す

無気力試合で半年間の出場停止となったアリ・レザ・モハマド・カリミマチアニ(イラン)=2015年世界選手権(撮影・矢吹建夫)

 世界レスリング連盟(UWW)懲罰委員会は2月16日、昨年11月のU-23世界選手権(ポーランド)での疑惑試合に関して、男子フリースタイル86kg級のアリ・レザ・モハマド・カリミマチアニ(イラン)に半年間、コーチのハミド・レザ・ジャムシディに2年間の出場停止処分を下すことを決めた。

  いずれも試合日から換算するので、カリミマチアニは今年5月23日までが処分期間。懲罰委員会はカリミマチアニがアルカン・ザブライロフ(ロシア)に故意に負けた証拠を「発見した」という。UWW、およびUWW懲罰委員会の規定では、「相手に勝利をもたらす行為」を禁止する項目のほか、フェアプレーに反する行為等に罰則の規定がある。

 この試合は、試合中に隣のマットで行なわれていた試合でイスラエル選手が勝利。カリミマチアニが勝つと次の試合でイスラエル選手と闘うことが決まったことにより、対戦を忌避するため故意に負けたのではとの疑惑が持ち上がっていた。動画には、セコンドの『アリレザ、負けろ。おまえは負けなければならない』との声がはっきり聞こえていたと伝えられている。

 イランはイスラエルを国家として認めておらず、表向きは体調不良などを理由としているが、これまでにあらゆる競技で対戦を忌避する行動に出ている。

 イラン協会に出場停止処分も伝わっているが(関連記事)、現段階では発表されていない。

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