新戦力 2018V長崎⑪ 背番号17 MF 中原彰吾(23) 好機つくる広い視野

 「高いレベルで試合に出続けたい」。昨季、J1・G大阪で経験を積んだMF中原彰吾は、より多くの出場機会を求めて決断した。J1札幌からG大阪、V・ファーレン長崎へ2年連続で期限付き移籍。「チームのために自分の持っているものを出し切る」。プロ6年目、23歳のボランチは静かに燃えている。

 正確なキックと視野の広さが持ち味。札幌の下部組織で技術を磨いた。2012年のJユースカップでは、決勝でハットトリックを達成し、札幌U-18の初優勝に貢献。翌年、当時J2だったトップチームに昇格した。

 札幌で4年間を過ごした後、G大阪へ“武者修行”に出た。当初はG大阪U-23の一員として、J3で戦った。練習はトップチームとは別。遠藤保仁、井手口陽介(現スペイン2部、クルトゥラル・レオネサ)ら日本を代表する司令塔の技術に触れるには、はい上がるしかなかった。

 「うまくなりたい」という一心でトレーニングを重ね、シーズン終盤にJ1デビュー。昨年10月のYBCルヴァン・カップ準決勝2試合(ホームとアウェー)で先発出場し、その後はリーグ戦3試合で、遠藤や井手口とともに中盤を担った。「遠藤さんのパスの選択肢などを見て勉強できた」

 V長崎に旧知の間柄の選手はいない。不安もあったが、合流後は確かな技術とセンスですぐに溶け込んだ。「自分がボールを持ったときのパスの出しどころを見てほしい」。貪欲に吸収してきた巧みなゲームメークで、長崎を熱くする。

広い視野を生かし、ゲームを組み立てるMF中原=沖縄県西原町民陸上競技場

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