八橋健一氏に聞く…開幕前に「謎の監督解任」、ガーナ名門の衝撃の事情とは

『Ghanasoccernet』は16日、「ガーナリーグのハーツ・オブ・オークは、フランク・ナットール監督を解任した」と報じた。

かつて八橋健一監督(現インテル・アライズ)が率いていたことで知られるハーツ・オブ・オークは、アサンテ・コトコと並んで同国の2大クラブ。

メディアによる注目度が高い反面、周辺には真偽が分からない情報が数多く流れており、トラブルも頻繁に発生する。

そして昨年監督に就任したフランク・ナットール氏も、また穏やかでない状況でチームを離れることになったようだ。

報道によれば、ナットール氏はクラブに所属している数選手に契約を更新しないよう助言した他、自分に近い代理店の「NMフットボール・コンサルタント」の顧客になるよう勧めていたという。

結果的にハーツからは4名の中心選手が退団することになり、現在も数名に移籍の噂がある状況。そして、その原因が監督にあったという発表だった。

アイヴィ・ヒュワード=マイルズ氏、フランク・ネルソン氏、ニャホ・ニャホ・タマクロー氏で構成された3名の委員会は、この件の調査の結果ナットール氏を有罪と判断し、即座に契約を解除したとのこと。

ナットール監督は、理事会でそれらの証拠を突き付けられた際に、自身の罪を認めたというが…。

この件について、かつてハーツで監督を務めていた八橋健一氏にお話を伺ったところ、クラブ内に日本では考えられないような状況があるのだそう。

八橋健一監督(現インテル・アライズ) 「ハーツから退団した4名の中心選手のうち、2名とは連絡を取っていました。

彼らは契約が切れた時点で退団すると決めていましたから、この4名が更新しなかったのは監督だけが理由ではないと思います。

私が監督を務めていた際にも若い選手に欧州からオファーがありましたが、実現不可能な移籍金が要求され、成立しませんでした。

現在のフロントになってからは、国外のクラブから移籍金が支払われる形で利益になるような移籍をした選手は一人もいません。

フロントが移籍を成立させられる状況になっていないのです。内部で足の引っ張り合いがあると思います。誰が移籍金を手に入れるか、権力を誰が握るのか。

それに選手が愛想を尽かしており、監督も辞めたかったのではないでしょうか」

ビッグクラブはどこの国でも雑音が多くなってしまうものだが、内部も泥沼化しているという…。

かつてはスティーヴン・アッピアーやアンソニー・アナン、マハトマ・オトーなど代表選手を輩出してきたハーツであるが、復活まではまだ時間がかかるのかもしれない。

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