厳かに媽祖行列 長崎ランタンフェスティバル 華やか歴史絵巻

 長崎ランタンフェスティバルのメインイベントの一つ、「媽祖(まそ)行列」が18日、長崎市中心部であり、色とりどりの中国衣装に身を包んだ市民ら約120人が、太鼓や銅鑼(どら)の音を響かせながら厳かに街中を練り歩いた。

 媽祖行列は市民団体「長崎ネットワーク市民の会」が中心となって取り組んでいる。江戸時代、貿易のため長崎に来た中国人が、唐船に乗せた航海の女神「媽祖」の像を唐寺に安置しに向かったり、帰国時に再び唐船へ戻したりする行事を再現。この日は唐船から興福寺(寺町)へ媽祖像を運ぶ「菩薩(ぼさ)揚げ」があった。道中では祭官の直庫(てっこ)や媽祖の守護神、順風耳(じゅんぷうじ)と千里眼が演舞を披露し、観衆を沸かせた。

 浜町で演舞を見ていた田上3丁目の浜田椿ちゃん(5)は「おのややりを持った男の人たちがかっこよかった」、妹の紫(ゆかり)ちゃん(3)は「(チャイナドレス姿の)女の人がきれい」と興奮気味に話していた。母親の淳美さん(28)は「ずっと長崎に住んでいるが、直接見たのは初めて。圧巻ですね」と話した。

 25日には、媽祖像を興福寺から船へ戻す「菩薩乗せ」があり、同日午後2時に興福寺を出発する。

長崎ランタンフェスティバルを盛り上げた媽祖行列=長崎市館内町

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