JFEエンジ、タイで丸紅から廃棄物発電プラント受注 高い技術力評価

 JFEエンジニアリング(社長・大下元氏)は16日、タイで丸紅から産業廃棄物発電プラントを受注したと発表した。受注額は非公表。同国南東部のヘマラートチョンブリ工業団地内に建設され、産業廃棄物を処理する。発電容量は8630キロワット。タイにおける同社の焼却炉受注は3件目。

 本プロジェクトは丸紅が元請けとなり、JFEエンジは主要機器のストーカ式焼却炉(日当たり処理能力360トン)とボイラーおよび排ガス処理設備の設計・調達と据付・試運転時のスーパーバイザー派遣を行う。納期は2019年12月末。

 同国の排ガス規制値は欧州と同等レベルの厳しい基準。こうした中、JFEエンジの保有する廃棄物の安定燃焼を実現する「ハイパー火格子」に加え、排ガス中のダイオキシン類や一酸化炭素を低濃度に抑制する「2回流ガス流れ」などの技術が高く評価された。

 プロジェクトは水処理・廃棄物発電事業の最大手企業であるフランスのスエズエンバイロメントとタイのWHAユーティリティーズアンドパワーおよびグロウエナジーの合弁会社、チョンブリクリーンエナジーによって計画された。スエズ社にとって東南アジアで初めて実施する産業廃棄物発電事業となる。

 同国で現在稼働している産業廃棄物処理施設は25件程度、一般廃棄物処理施設は2件程度とみられる。廃棄物の不法投棄の取り締まりを強化しているほか固定価格買取制度による再生可能エネルギー導入を促進するなど需要の高まりが想定され、同社ではタイなど東南アジアにおける需要を着実に捕捉していく構え。

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