長崎大 情報系学部を検討 2020年度の開設目指す

 長崎大は19日、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)など技術革新に対応できる人材育成に向け情報系新学部の創設を検討していることを明らかにした。早ければ2020年度の開設を目指す。

 長崎市で同日にあった長崎サミットの会合で、河野茂学長が説明した。河野学長は「AI、IoT、仮想通貨、ビッグデータなど情報を駆使した技術革新が進んでおり、そうした知識がないと企業も生き抜いていけない。しっかり学んだ人材を社会に送り出し、労働生産性を高めることが重要だ」と狙いを語った。

 河野学長の構想によると、新学部はデータ分析やAI、新しいコンピューターの開発などを主な研究テーマとする。水産、造船、観光といった長崎県基幹産業をはじめ、医療・介護などさまざまな分野への貢献を目指す。定員は100人程度で、定員枠は既存の学部と調整して確保し、教員も学内から捻出。教育内容は県立大の情報システム学部とすみ分けし、長崎大の独自色を打ち出したい考えだ。

 河野学長は、長崎サミットで、課題となっている学生の地元定着に向け、18年度に始める支援金の給付事業も紹介した。学業が優秀で卒業後の県内企業就職など地方創生への貢献を誓約できる新3年生に月額2万円を支給する。上限40人に対し約60人の応募があったという。

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