美しい海でリゾート気分も 沖縄最北端の村で行われている日ハムキャンプ

沖縄県国頭村で日本ハムの春季キャンプが行われている【写真:広尾晃】

名護から1時間も連日熱心なファンが球場へ

 北海道日本ハムファイターズは、1978年、沖縄県名護市で春季キャンプを始めた。沖縄が日本に返還されて6年目、日本ハムがチームの親会社になって4年目。今、沖縄ではNPBの9球団がキャンプを行っているが、その最初は日本ハムだった。

 日本ハムは、海外キャンプを実施した年をのぞいて、昨年まで名護市営球場を1軍のキャンプ地としてきた。昨年は米アリゾナ州で1次キャンプを行ったが、2次キャンプは名護だった。

 名護市とのつながりは深いが、球場が老朽化に伴って改修工事に入ったため、今年は1次キャンプをアリゾナで行った後、2次キャンプはこれまで2軍が使用してきた沖縄県国頭村(くにがみそん)くいなエコ・スポレク公園内のかいぎんスタジアム国頭で行っている。

 国頭村は沖縄本島最北端の村。人口5000人足らず。いわゆる「やんばる(山原)」と言われる地域だ。那覇市からは高速バス、在来バスを乗り継いで2時間半かかる。

 しかし、朝から連日、熱心なファンがやってきている。女性に話を聞くと、茨城県から来ているとのこと。名護市のホテルに宿泊し、毎日1時間かけてキャンプ地に通っているとのことだった。

 日本ハムは、2次キャンプは実戦中心。沖縄本島内でNPBやKBO(韓国プロ野球)のチームと練習試合を組んでいる。清宮幸太郎など選手たちは、国頭村のキャンプから本島内の各地に出かけて試合をしている。

コンパクトながら一通り施設が揃う

 メイングランドのかいぎんスタジアム国頭は、両翼100m、中堅122m、内野側に隣接してかいぎんフィールド国頭がある。普段はサッカー場として使用されているが、キャンプ期間中はサブグランドになる。その奥に室内練習場であるくにがみ屋内運動場には右翼側に5人が同時に投げることができるブルペンがある。

 コンパクトではあるが、1軍キャンプを行うことができる施設が一通りそろっている。気温は朝10時には20度を越す暖かさ。選手の仕上がりも早く、10時30分過ぎには投手がブルペンに入っていた。

 キャンプ地は海に面している。沖縄ならではの美しい海が、リゾート気分を盛り上げる。

 日本ハムキャンプと言えば、多くの出店が出て、ファンでにぎわうのも名物だったが、国頭村のキャンプでは休日は数店舗が出店するが、平日は1店舗だけ。その店舗は名護市から出張販売に来ていた。店主に話を聞くと「遠いから出店も大変だが、40年にわたって続いてきた名護と日本ハムのつながりを維持したかった」とのことだった。

 おすすめはやきそば。沖縄そばに使う太い麺を使って、食べ応えがある。暖かくなったこともあり、午前中からオリオンビールも売れていた。

 メイングランドからサブグランドに移動する選手をファンが取り囲む。選手は丁寧にサインし、記念撮影にも応じていた。

 名護市営球場は2019年に完成する。日本ハムが再び名護に戻るかどうかは未定だが、沖縄との強いきずなは、今後とも続いていくことだろう。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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