《渋谷》カジュアルに、骨太のイタリア料理とナチュラルワインが楽しめる「biodinamico」オープン

〈ポレンタに溺れたイノシシ〉

 骨太なイタリアの伝統料理とナチュラルワインが楽しめる「biodinamico(ビオディナミコ)」がこのほど、渋谷区神南にオープンしました。

 このレストランは、2月3日まで渋谷区で営業していた「BIODINAMICO」と「BACARI da PORTA PORTESE(バカリ ダ ポルタポルテーゼ)」を統合して、場所を移し、規模を拡大したもの。イタリア中北部のトスカーナ州やエミリア・ロマーニャ州を中心に、トラットリアから星付リストランテまで、幅広く探求してきた「BIODINAMICO」の元シェフ 湯浅一生氏の料理が味わえます。

 ディナーは、季節ごとに内容が変わる6000円のコース(前菜2品とパスタ2品、メイン、デザート)のみで勝負。オープニングを飾るコースの前菜は、〈フィレンツェ風もつ煮〉と〈ラードを食べるパン〉です。

 この“もつ煮”のイタリア語名は〈ランプレドット アッラ フィオレンティーナ〉。トスカーナ州の州都フィレンツェの伝統料理であるランプレドットは、ギアラ(牛の第4胃)の煮込み料理で、湯浅シェフが19歳のときに初めて訪れたイタリアで食べて感動した“ソウルフード”です。

 日本の居酒屋で出されるもつ煮もおいしいですが、ここのランプレドットは上品な味わいで、白ワインにぴったりです。

〈フィレンツェ風もつ煮〉

 プリモピアット(第1の皿)は、〈カラスミ三昧 中太麺〉などパスタ3種と、〈リゾット 豚の煮こごり〉、〈リゾット 濃縮イカスミ〉の中から、テーブルごとに2種類を選べます。

 中太麺(トンナレッリ)は、つけ麺ブームの火付け役であるカリスマ製麺師「浅草開化楼 不死鳥カラス氏」との共同開発で生まれたパスタ専用小麦粉を使った低加水のパスタフレスカ(生パスタ)。モッチモチのこのパスタに濃厚なカラスミとズッキーニの細切りを絡めて口に運べば、笑顔になること間違いなしです。

〈カラスミ三昧 中太麺〉

 セコンドピアット(第2の皿/メイン)は、〈ポレンタに溺れたイノシシ〉。イノシシの脂身の滋味を堪能できる一品で、添えられたポレンタ(トウモロコシの粉にお湯や出汁を加え、練り上げた料理)も“脇役”というには失礼な出来栄え。湯浅シェフは「日本人にもポレンタのおいしさを知ってほしいですね」と胸を張ります。

 コッテリとしたジビエ料理の後は、〈酒呑みのアイスケーキ(ズコット)〉。ヴィンサント(デザートワイン)の風味が大人なイタリアらしいドルチェです。

〈酒呑みのアイスケーキ〉

 ドリンクでは、環境に優しいナチュラルワインがお勧めです。このレストランの運営会社では2017年、山形県南陽市にワイナリー「Grape Republic(グレープ リパブリック)」をオープン。ここで作った、山形県産を中心に国産ブドウにこだわった完全無添加のワインを飲むことができます(3月~)。もちろん、イタリアなどのナチュラルワインもそろっています。

 ランチには、イタリアの定番『パーネ エ パスタ(パンとパスタ)』(1200円)を提供しています。ソースを〈こってり豚ラグー〉など3種類から選べ、麺はトンナレッリ。「しっかり」(150g)と「たっぷり(200g)」があり、キュートなピインク色の丼に盛られたパスタは、ボリューム満点です。

 これに、焼き立ての自家製パン(おかわり自由)と特製パテが付きます。

『パーネ エ パスタ』のイメージ。パスタは〈こってり豚ラグー〉

 味だけではなく、インテリアや食器にも注目です。テーブルにはカタツムリのオブジェが置かれていて、お皿やスタッフのエプロンなどには、カタツムリのプリントが・・・。カタツムリは、ナチュラルでサステイナブルなフードの“象徴”で、スローフード協会のロゴマークにも使われています。

 そして、小さめのナイフやフォーク、スプーンもかわいいです。

カタツムリのオブジェがかわいいディナーのテーブルセッティング(イメージ)

 VIPルーム(2~6人/追加料金3000円)もありますので、子供連れのグループにも安心です。

 明るくスタイリッシュな空間で、地域色を大切にした本格的なイタリア料理はいかがでしょうか。

biodinamicoの店内

biodinamico

所在地:渋谷区神南1-19-14 クリスタルポイントビル 3F

営業時間:ランチ11:30~14:30(13:30 L.O.)/ディナー 18:00~22:30(20:00L.O.)

定休日:日曜日、第1・3月曜日

電話番号:03-3462-6277

※全席禁煙

http://bio-dinamico.com/

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