米商務省のアルミ輸入規制提言、各国団体が反対の意を表明

©株式会社鉄鋼新聞社

 米国商務省がトランプ大統領に対してアルミ輸入規制の原案を提出したことに対し、世界のアルミ団体が反対の意を表明している。各国・各団体の立場によって意見に違いはあるものの、総じて苦言を呈する内容で一致。今後の推移次第では対抗措置の応酬となる恐れもある。

 欧州アルミニウム協会(EA)は19日、「世界的な供給過剰の原因は中国などにあり、米国は欧州との現在の貿易関係を妨げるべきではない」との声明文を発表した。声明文では、今回の提言が欧州のアルミ産業に大きな被害を与えるとともに世界貿易の不均衡をさらに深刻にすると指摘。その上で、「仮に米国政府が今回の提言を受け入れて措置を決定した場合、我々は欧州委員会が可能なすべての貿易防衛手段を使用し、欧州産業を守ることを支持する」と宣言した。

 なお、同時にEAは、グローバル市場のすべての生産者に対して強制力のある多国間ルールの策定など、輸入規制によらない対応策を示した。

 一方でカナダアルミニウム協会(AAC)は16日、「カナダは関税や輸入量割当といった措置を免除させるべきだ」と主張した。カナダは北米のアルミ産業を守るために米国と緊密な連携を取ってきた歴史があり、「今後もこの関係が維持されることを確信している」(AAC)と説明。その上で「カナダの主要なアルミ生産者は、米国のアルミ産業にとっても非常に重要だ」と釘を刺した。

 中国商務部は17日、恩賀軍・貿易救済調査局長のコメントとして「事実と異なる。我々は正当な権利を守る」とする声明文を発表した。日本アルミニウム協会は「発表の内容を精査している段階で正式なコメントは出せない」としたものの「米国アルミ協会などとの情報交換などを通じ、正確な情報を収集していく」とした。

 なお、米国商務省に輸入規制の働きかけをしていた米国アルミニウム協会のハイジ・ブロックCEOは16日、「米国のアルミ産業の継続的な成長を支える最終決定について、大統領と協力することを楽しみにしている」と表明。

 その上で是正措置について(1)中国の過剰生産とその影響に対して取り組む(2)カナダやEUとの現在の取引関係を妨げない(3)国内の製錬メーカーと川下事業(圧延など)のいずれも保護する(4)ベトナム・インドネシア・マレーシア・タイなどからの迂回輸入に対する監視システムを採用する―の4項目を盛り込むべきだと進言した。