つば九郎があちこちに出没、“青木効果”でファン増加のヤクルトキャンプ

あちこちに出没するつば九郎はヤクルトキャンプでも人気者【写真:広尾晃】

アクセス良好の浦添市民球場で行われているヤクルトキャンプ

 東京ヤクルトスワローズは、2000年から浦添市民球場を1軍の春季キャンプ地にしている。2軍は、宮崎県の西都市でキャンプをしている。

 浦添市は那覇市の北隣にある。人口11.5万。ビジネスの中心地、那覇市の近郊都市として人口が増えている。那覇市からは何系統ものバスがキャンプ地まで出ている。いずれも30分程度、アクセスは良好だ。

 浦添市民球場は、浦添運動公園内にある。ヤクルトキャンプのメイングランドだ。両翼98メートル、中堅122メートル、照明設備はないが、オープン戦も開かれる本格的な球場だ。

 右翼側に室内練習場の浦添市民体育館。その隣に6人の投手が同時に投げられるブルペン。外野側にサブグランドとなる浦添市多目的屋外運動場がある。
浦添運動公園は、丘の中腹に広がっている。丘の上から全体を見渡すことができるのが特徴だ。

 室内練習場は公開されていないが、ブルペンはオープンになっていて投手の迫力あるピッチングを見ることができる。メイングランドの浦添市民球場も観戦しやすい。この球場では球団関係者や野球評論家などもスタンドで観戦することが多く、思わぬ有名人に出くわすことがある。

 サブグランドでは投手がランニングをしたり、野手が特守に励んだりするのを間近に見ることができる。今年は青木宣親がキャンプ途中から参加、ファンの数も増加しているとのこと。

ファンのサインにも気さくに応じるつば九郎

 ヤクルトキャンプでは、選手も見ものだが、12球団のキャラクターの中でも、キャラ立ちでは屈指の存在であるつば九郎が、あちこちに出没し、ファンの注目を集めている。

 シートノックの最中にバレンティンと話し込んだりしている。何語でしゃべっているのかは不明。ブルペンでは、野球評論家の横で相槌を打っている。ときどき何やら投手に指図をしていたりもする。

 ファンにも気さくにサインに応じる。練習に忙しい選手に変わって、ファンを一手に引き受けている感がある。公園の一角にはキャンプの期間中「つば九郎神社」が設けられている。ヤクルトファンにとっては、一種の“聖地”でもある。

 球場入り口にはスワローズグッズの売店。キャンプオリジナルグッズは早々に売り切れたとのこと。ユニフォームは急きょ作った青木宣親の「23」が売れ筋だ。

 キャンプ期間中だけ開く食堂「めんそーれゆくい処」は、手軽に軽食が食べられる。沖縄そばやスパムタマゴおにぎりが人気。公園内には、数店舗の屋台が並ぶ。やきそばや焼き鳥など定番メニューが並ぶが、公園入口に近い場所にある「仲里さぁたぁあんだぎぃー」は、沖縄のドーナツであるサーターアンダギーの名店として知られる。黒糖、ピーナッツ、プレーン、ゴマなど種類も豊富。休日には行列ができることも。

 公園の隣には、美術館やホールなども並んでいる。休日にはこうした施設も一体化し、家族連れでにぎわう。桜の花も開き、すっかり春の陽気。のんびりした気分で訪れたい。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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