ヤマハ・テック3、フォルガーに代わってシャーリン起用。史上初のマレーシア人MotoGPライダー誕生

 MotoGPに参戦するモンスター・ヤマハ・テック3が2月21日、体調上の理由により2018年シーズンを欠場することになったジョナス・フォルガーに代わってハフィス・シャーリンを起用することを正式に発表した。

 モンスター・ヤマハ・テック3は、2018年シーズンをヨハン・ザルコとフォルガーのふたりで戦う予定だった。しかし1月半ば、フォルガーが病気を理由に参戦欠場を発表。空いてしまったひとつのシートを埋めるため、ライダー探しが続いていた。

 シャーリンは23歳のマレーシア人ライダー。2017年はMoto2クラスに参戦し、鈴鹿8時間耐久ロードレースではチームカガヤマに起用された。2018年シーズンは元々、SICレーシング・チームよりMoto2クラスへの参戦を予定していた。

マレーシア人初のMotoGPライダーとなったシャーリン

 シャーリンは先日2月16~18日にタイ・ブリーラムで行われたMotoGP公式テストにモンスター・ヤマハ・テック3から参加。ヤマハYZR-M1を初めてテストした。

 マレーシア人として史上初となる世界最高峰最高峰クラス参戦ライダーとなるシャーリン。「モンスター・ヤマハ・テック3で2018年シーズンを戦うことができるのがうれしいよ」と喜びを語った。

「ブリーラムでテストした3日間はとても興味深くてすばらしかった。そこで僕は、たくさんのことを学んだんだ。特にアドバイスをくれたスタッフ、(チームメイトの)ヨハンにもお礼が言いたいよ」

「短い間に僕はMotoGPマシンのコントロールについて本当にたくさんのことを学んだ。2018年、僕は持ちうるすべてでベストを尽くそうと思ってる。カタールでのテストを楽しみにしているよ。さらにモチベーションが高まるだろう。正直言って、僕はシーズンの開幕が待ちきれないんだ」

 チームマネージャーを務めるエルベ・ポンシャラルは、シャーリンの起用について次のように語っている。

「フォルガーが体調を回復させるために2018年シーズンのMotoGPに参戦できないと聞いたときから、厳しい時間を過ごしたよ。フォルガーの代わりを見つけるまでとても長かった」

「(マレーシアの)セパンで、僕は(SICのエグゼクティブ・オフィサーの)ラズラン・ラザリに会い、ちょっとしたアイデアが浮上した。そういうのはときに、このようなベストな結果をもたらしてくれるんだ。ラズラン・ラザリに感謝したい」

「僕らは周囲の人々に、シャーリンがすばらしいMotoGPライダーなのだと納得させる必要があったから、ブリーラムのテストではシャーリンに厳しいタスクを課さなければならなかった。最終的に、シャーリンはすばらしい仕事をしたよ。ヤマハはシャーリンのパフォーマンスに満足し、テック3全体が喜んだ。マレーシア人がMotoGPクラスにフル参戦するのは初めてのこと。こうした歴史的ともいえるチャンスを与えることができて、光栄に思うよ。ハフィスには『ようこそ、我々のファミリー!』と言いたいね」

 シャーリンは3月1日からカタールで行われるMotoGP公式テストを経て、2018年MotoGP第1戦カタールGPに挑む。

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