《西荻窪》足を延ばして…西荻窪で本屋はしご

 西荻窪までさらに足を延ばすと、こちらにも個性豊かな本屋さんがたくさんある。こだわりのつまったそれぞれのお店をはしごして、西荻ブックカルチャーを堪能しよう。

古書 音羽館

街の文化を担う、古書の宝庫

左 東京という街の成り立ちが分かる、都市計画の秘密をまとめた一冊。『東京都市計画物語』越澤 明 500円(税込)/右 昔は重要な古本の供給源でもあった「チリ紙交換屋」の群像劇。『チリ交列伝』伊藤昭久 600円(税込)

 これでもかと山積みされた古本が、ぎゅうぎゅうにひしめき合う店内。「文化人が多く集う立地のため、自然と良書が集まる」という店の本棚には、ベストセラーからマニアックなものまで、幅広いジャンルがそろう。リーズナブルな価格も魅力で、思わぬ掘り出し物が見つかるかも

KOSHO OTOWAKAN

杉並区西荻北3-13-7
[TEL]03-5382-1587
[営]12:00〜23:00
[休]火

忘日舎

モダンな空間で、思いがけない本に出合う

左 韓国人作家による長編小説。店内の一角では、現代韓国文学フェアも開催中。ハン・ガン『ギリシャ語の時間』1800円/右 現代詩人のカニエ・ナハによる、全18篇の最新詩集。『IC』カニエ・ナハ 1300円

 文学、思想、人文系を中心に、詩集などもあつかう「忘日舎」。手づくりされた本棚もあり、こだわりが行き届いたモダンな空間で出合う書籍は、普段馴染みのないジャンルでも思わず手に取ってしまうほど。古書も新刊も丁寧に選書されたものばかりで、落ち着いた雰囲気のなか、静かに本と向き合うことができる。

VOJITSUSHA

杉並区西荻北3-4-2
[TEL]03-3396-8673
[営]水・木・日 13:00~20:00 金・土 13:00~21:00
[休]月・火 *祝日は営業

旅の本屋のまど

好奇心くすぐられる「旅」の本屋

左 千葉在住のバックパッカーによる、ゆるゆる旅行記。『野崎が行く! 1ミャンマー・タイ編』野崎卓也 300円(税込)/右 WebデザイナーTamiooさん自費出版による旅日記シリーズ。『Tamioo日記 Vol.5』tamioo 1950円

 「旅」をテーマに多彩なジャンルの本をそろえるこのお店。一般的なガイドブックや旅行記にとどまらず、世界中の料理や文学、映画に音楽、スポーツから社会学まで、あらゆる角度から「旅」につながる本がセレクトされているのが楽しい。お店に行けば、きっとどこかへ行きたくなるはず。

TABINO HONYA NOMADO

杉並区西荻北3-12-10司ビル 1F
[TEL]03-5310-2627
[営]月〜土 12:00〜22:00 日・祝 12:00〜21:00
[休]水

にわとり文庫

昭和時代にタイムトリップ

左 江戸川乱歩の代表作。『黄金仮面』江戸川乱歩 4500円(税込)/中央 ムーミンの児童洋書。『MOOMINLANDMIDWINTER』トーベ・ヤンソン 3500円(税込)/右 店内ではさまざまな種類のこけしも販売。3500円(税込)

 懐かしさを感じさせる古書がそろう「にわとり文庫」。珍しい昭和の児童文学や絵本が多く、探偵ものやミステリー、SF、少年漫画のほか、海外の絵本や児童書も充実。国内外のレトロなポストカードやマッチなど、乙女心をくすぐる雑貨もいっぱいで、眺めているだけでも楽しい書店だ。

NIWATORI BUNKO

杉並区西荻南3-17-5
[TEL]03-3247-3054
[営]12:00ごろ〜20:00ごろ
[休]火

松庵文庫

古民家ブックカフェで、ティータイム

左 併設のギャラリー&ショップでは、器や雑貨なども販売。オリジナル大判ハンカチ 各1600円/右 旬の食材を使った御膳など、充実したカフェメニューの松庵文庫。本のセレクトも料理本が多い。『ハーブのサラダ』冷水希三子 1600円

 大きな庭に樹齢100年のツツジが宿る「松庵文庫」は、築80年の古民家を改装してつくられたブックカフェ。選書は荻窪の書店「Title」によるもので、食や暮らし、旅や哲学など、ゆったりとした時間が流れるこの空間だからこそ読みたい書籍ばかり。本屋めぐりの合間、ひと息つきにぜひ訪れてみて。

SHOUAN BUNKO

杉並区松庵 3-1 2-22
[TEL]03-5941-3662
[営]11:30〜18:00
[休]月・火

ウレシカ

本と雑貨とギャラリーと

過去に展覧会を開催した作家の作品。右下 『クレヨンで描いたおいしい魚図鑑』加藤休ミ 1600円/左『かいじゅうのさんぽ』山田美津子 1100円/右上 長崎の波佐見で生まれた陶器ブランドの器。《sen》 森のカップ 2700円

 新刊絵本を中心に、アート、生活、自然にまつわる本からリトルプレスまで、作家作品や雑貨も扱う「ウレシカ」。2Fのギャラリーでは陶器や刺繍、イラストレーターの原画展など、展覧会にあわせて作家のグッズや作品集も販売され、書籍や展示を通して、さまざまな作家と出会うことができる。

URESICA

杉並区西荻北2-27-9
[TEL]03-5382-0599
[営]12:00~20:00
[休]火・水

古本バル 月よみ堂

グラス片手に、本の世界にひたる

左 ウィスキーの故郷をめぐる、村上春樹の紀行文。『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』村上春樹/右 101篇のエッセイ集。『甘酸っぱい味』吉田健一 ※どちらも非売品。店内での読書のみ可

 古本屋とバーが一体となった10席ほどの小さな古本バル。お酒を飲みながら店内の本を読むのはもちろん、軽く1杯飲むだけでも、本を購入するだけでもいいという自由なスタイルがうれしい。本のセレクトは、お酒や食にまつわる本など、飲みながら読みやすいものが多い。はしご本屋のシメは、ぜひここで。

FURUHON BAL TSUKIYOMIDOU

杉並区西荻南2-6-4
[TEL]03-6454-2037
[営]14:00~24:00
[休]不定休
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