骨髄移植、琉大など合併症の新たな原因解明 成功率向上へ期待

 骨髄移植などで患者と提供者(ドナー)の遺伝子群の型の違いで起きる合併症「移植片対宿主病」(GVHD)で、従来原因と考えられていた遺伝子の部位とは異なる部位もGVHD発症の原因であることを、琉球大学大学院や東海大学などの研究チームが突き止めた。骨髄などの移植成功率向上などにつながる研究成果として期待できる。琉球大大学院の森島聡子准教授らが22日、西原町の同大で発表した。 研究は2015年から、「ヒト主要組織適合性抗原」(HLA)の遺伝子群の解析を進めた。病気でない人約20人のHLA遺伝子を「次世代シーケンサー」という精度の高い解析技術を用いて分析し、実際の骨髄移植例約千件の遺伝子データと臨床データを照合することで、従来とは異なる遺伝子の部位がGVHDの発症に影響していることが分かった。また、遺伝子配列が2種類に分類でき、一方がGVHDの発症率が高いことも突き止めた。

 GVHDは患者とドナーの遺伝子群の型が違う場合に4割程度発症し肝臓や消化管に障害を引き起こす。森島准教授は「患者とドナーのHLAが合わなければGVHDが起きやすくなり、移植の成功率が悪くなる。GVHDとHLAのメカニズムの解明は非常に重要だ」と成果を強調した。

 HLAはB型肝炎や、リウマチ、糖尿病などの疾患にも関係している。今回の発見は、これらの疾患の解析にも役立ちそうだ。東海大の椎名隆准教授は「HLAはさまざまな疾患に関係していることは分かっているが、具体的にどの遺伝子がどう関係しているかは分かっていない。HLA全体の解析が、今後の疾患解析のあり方だ」と述べた。

 研究成果は16日、血液学で最も権威がある米国の学術誌「Blood」に掲載された。

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