3冠王&2年連続4割超の歴史的偉業 王柏融を直撃、145キロ「また投げるかも」

台湾で歴史的活躍をみせるラミゴモンキーズ・王柏融【写真提供:Lamigoモンキーズ】

台湾で歴史的活躍、24歳の3冠王が語る偉業「自分でも本当に不思議」

 2016年、17年シーズンに2年連続4割を放ち、昨シーズンは3冠王にも輝いた台湾の王柏融外野手。台湾では実働3シーズンで海外移籍が可能となるため、オフの動向に注目が集まっている。日本球界入りの可能性もある24歳の大砲に、これまでの自身の成績や今シーズンの目標などを聞いた。

 15年6月に行われたドラフト会議でラミゴモンキーズから指名を受けた際は全体4位と、No1評価だったわけではない。それでも、初めてシーズンを通してレギュラーを務めた16年は116試合(台湾は全120試合)に出場して打率.414を記録したほか、リーグ最多記録となる200安打、新人王とMVPを同時受賞するなど、大きな飛躍を遂げた。

 本人にその要因についてたずねると「入団してすぐに監督がチャンスを与えてくれたからです」との答えが返ってきた。

「何試合か出場して成績があまり良くなくても、その後も根気よく使ってくださったので、チャンスをものにすることができました」

偉業打ち立てた24歳、「自分でも本当に不思議」

 指揮官への感謝を口にする王は、17年も115試合の出場で打率.407と、リーグ初となる2年連続4割超えをマーク。さらに、178安打、31本塁打、101打点を挙げ、24歳で3冠王に輝いた。

 この結果には自身も驚いているという。

「入団当初は、ここまでになるとは考えてもいませんでした。スタメンで出場できるように必死でプレーしていた結果です。自分でも本当に不思議に思います」

 17年に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、ラミゴモンキーズが大会への不参加を表明したため、大会前に行われた侍ジャパン壮行試合にCPBL(台湾プロ野球リーグ)代表として出場。則本昂大投手(楽天)からバックスクリーンに特大の本塁打を放ち、日本のファンにも鮮烈な印象を残した。

 しかし、本人は本塁打へのこだわりはそこまで大きくないという。一方で、打席で大切にしていることがあると明かす。

「もともと自分は頻繁にホームランを打つ選手ではなく、ミート率が高い中距離から長距離打者だと思っています。ホームランを狙いにいくというよりは、ボールを強く遠くに飛ばしたいと思って打席に入っています。それと、打席では『間』を大切にしていますね。打者と投手の『間』は、自分が特に気を付けている点です」

投手でも145キロ、「もしかしたらまた投げられるかも」

 昨年は3冠王という偉業を遂げたが、今シーズン特別な気負いはないという王。これまで通り、ケガをせず、シーズンを通して安定して出場することを目標に掲げる。それでも、打率については「努力してこれまでの記録を伸ばしたい。全力でプレーします」と力強く話しており、3年連続4割も視野に入れる。

 打撃にばかりに注目が集まるが、高校時代は投手として145キロを投げていた経歴も持つ。その後はケガもあったが「投手を諦めたわけではなく、打撃が伸びたので自然と野手としての出場が増えた」とも振り返る。

「また少しずつ球速は回復してきていると思うので、もしかしたらまた投げられるかもしれませんね」

 そう話しながら、「大王」の異名には似合わない笑顔を見せた。前人未到の記録を持つ若き大砲の活躍を、日本球界で見られる日は来るだろうか。

(Full-Count編集部)

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