諫干問題 営農2社が開門請求へ 野鳥食害訴訟で追加

 国営諫早湾干拓事業の調整池から干拓農地に飛来する野鳥の食害対策を怠ったとして、入植している農業生産法人2社が農地を管理する県農業振興公社などに損害賠償を求めた訴訟で、2社が潮受け堤防排水門の開門も求める方針を決めたことが24日、分かった。事業で調整池を造成したことが野鳥飛来の原因と主張し、近く追加請求する。干拓農地の営農者が訴訟で開門を求めるのは初めて。

 2社はマツオファーム(松尾公春社長)とグリーンファーム(勝田考政社長)。松尾社長は「食害に加え、淡水の調整池を造ったことで農地では冬に低温、夏に高温が続き農作物の生育には悪影響。開門して海水を循環させれば改善される」としている。

 2社は1月、同公社と国、県に対し、被害額の一部計200万円の支払いを求め長崎地裁に提訴していた。

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