UACJ銅管、ビル空調用新熱交換器開発 小型化しコスト低減

 UACJ銅管(本社・愛知県豊川市、社長・松下彰氏)は省エネタイプのビル用大型エアコン向けで、新型の熱交換器を開発した。高性能外面溝付銅管のサーモエクセルを加工した製品。小型でコスト競争力に優れることなどが特徴となっている。溝付けや加工などのノウハウを生かして開発した。2018年度からの販売を目指している。

 開発品は冷媒を冷やした状態で温度調整が必要な場所の近辺まで送るために用いる、過冷却器と呼ばれる熱交換器。エアコンの効率を高めるために使用される。太径の銅管の中に4本の細径サーモエクセルを配置した構造。管内を通る冷媒ガスにより、内管を流れる冷媒液の温度を下げる。

 直径7ミリの細径な銅管の表面と内面に精密な溝を形成し熱交換効率を高める技術に加え、さまざまな産業用熱交換製品で培ってきた曲げやロウ付け接続など銅管加工のノウハウを活用。さらに設計力や熱効率の評価システムを生かして、小型化を実現した。サイズを抑えることで銅の使用量を減らしコストを低減。さらに主力生産拠点である同市の伸銅所で銅管から一貫生産することから、輸送などの費用も抑えている。

 松下社長は「ユーザーのメリットを創出しつつ、付加価値を高めた製品。市場規模も大きく今後に期待できる」と話している。

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