京急の歴史出発進行 再現車両運行

 京浜急行電鉄は25日、創立120周年を記念し、歴代車両のデザインを再現したラッピング電車の運行を、発祥の地である大師線で始めた。京急川崎駅で出発式典が行われ、長い歩みを振り返りながら新たな出発を祝った。

 同社は1898(明治31)年、川崎大師への足として前身の大師電気鉄道が創立。翌年、六郷橋−大師間(2キロ)が開業された。

 ラッピング電車は「京急120年の歩み号」と名付けた4両編成。現在は運行していない大正や戦後に活躍した赤茶色の「デ51形」や赤と黄色の「500形」のほか、現在主流の赤白基調の計四つのデザインが1両ごとに施してある。

 車内には、窓上や中づりの広告スペースに各駅舎の往時の写真や歴代の広告などを展示し、同社の歴史が紹介されている。大師線で1年間運行する。

 出発に先立つ式典には福田紀彦市長や斎藤文夫市観光協会会長らが出席。京急電鉄の原田一之社長は「関東大震災や戦災などさまざまな試練を、沿線の皆さまの多大なご支援があって乗り越えることができた。さらなる120年に向けて歩みたい」とあいさつした。

 式典後の試乗会には沿線の幼稚園の園児らも乗車。大師幼稚園の男児(6)は「京急は(正面の)顔や柄、パンタグラフがかっこいいと思う」、女児(6)は「(着ぐるみキャラクターの)『けいきゅん』と一緒に乗れて楽しかった。電車は揺れるのが気持ちいい」と喜んでいた。

© 株式会社神奈川新聞社