イシグロ氏の手紙 展示へ 県立長崎図書館と県庁

 長崎県は26日、ノーベル文学賞を受賞した長崎市出身の英国人作家、カズオ・イシグロ氏から中村法道知事と八江利春県議会議長にそれぞれ届いた直筆署名入りの手紙と拡大コピーなどを3月1日から県立長崎図書館と県庁に展示すると発表した。3月31日まで。

 手紙は知事、議長が昨年10月に受賞決定を祝福するため送ったメッセージへの返事。知事宛てには「長崎での子供の頃の記憶は、小説家としての私のキャリアの基礎」と記し、議長宛てには「『ながさき』という言葉を耳にする度に、美しい旋律が脳裏をよぎります」と表現している。2通とも県民に対し「ご多幸を祈念いたします」と結んでいる。

 手紙の原本を同図書館に、拡大コピーを県庁ロビーに展示。日本語訳も付ける。県はイシグロ氏を名誉県民として顕彰する方針。

 一方、長崎市はイシグロ氏から田上富久市長に届いた手紙を長崎原爆資料館に展示中。3月31日まで。

カズオ・イシグロ氏から中村知事に届いた手紙のコピー(県提供)

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