脳性まひの女性 夢かなえ 「私の詩がいつか歌に」 音楽ユニットが曲付け初披露 長崎

 「命」をテーマに活動する長崎大医学部出身の医師2人による音楽ユニット「Insheart(インスハート)」のコンサートが25日、長崎市内であった。脳性まひの同市の女性が書いた詩に曲を付けた歌「青空」を、女性とともに初披露し、来場者から盛んな拍手が送られた。

 Insheartは、医療だけでなく音楽を通して患者らの心に寄り添いたいと、2015年結成。福岡を拠点に音楽活動を行い、さだまさしさんの番組でも紹介された。

 詩を作ったのは、同市入船町の山下未来さん(27)。いじめを受けた高校生のころから、生きづらさを詩に託してきた。1年ほど前、障害のある子とその母親を主人公にしたInsheartの曲を動画サイトで知り、感想を投稿したのをきっかけに、フェイスブックで2人とやりとりを重ね、「私の詩がいつか歌になるのが夢」と伝えていた。

 今年1月に山下さんがフェイスブックで発表した詩「青空」を読んだ2人は、山下さんの思いが素直に表現された詩に曲を付け、「一緒に歌いませんか」と誘った。

 コンサートで2人と舞台に立ち、「青空 あなただけは いつもいつも 変わらずに澄んだままでいてくれないか」と歌声を披露した山下さんは「夢がかなってうれしい。詩を書き続ける原動力になった」、2人は「夢のお手伝いができた」とそれぞれ笑顔で語った。

歌い終わってほっとした表情の山下さん(中央)とInsheartの2人=長崎市平野町、長崎原爆資料館ホール

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