ドローンの活用に向けた人材育成に関する協定を締結 八王子市とデジタルハリウッド 八王子市(東京都)とデジタルハリウッド株式会社(東京都千代田区神田駿河台)は、小型無人航空機(ドローン)の活用に向けた人材育成に関する協定を、八王子市の石森孝志市長とデジタルハリウッド株式会社の杉山知之取締役学長が調印、2月23日に締結した。

市職員でドローン操縦士チーム結成

 八王子市(東京都)とデジタルハリウッド株式会社(東京都千代田区神田駿河台)は、小型無人航空機(ドローン)の活用に向けた人材育成に関する協定を、八王子市の石森孝志市長とデジタルハリウッド株式会社の杉山知之取締役学長が調印、2月23日に締結した。
 今回の締結は、八王子市内で大学を運営するデジタルハリウッドが、八王子市の学園都市という地域特性を活かし、ドローンの活用に向けた人材育成を図るとともに、地域の活性化と市民サービスの向上を目的としている。

協定締結後、ドローンを手にする八王子市の石森孝志市長(左)とデジタルハリウッド株式会社の杉山知之取締役学長=2月23日、東京都八王子市の八王子市役所

 今後の取り組みは、これから5年間でデジタルハリウッドが実施するドローン専攻カリキュラムで、市職員を対象に一般社団法人 日本 UAS 産業振興協議会(JUIDA)の認定資格の有資格者20名を育成し、市職員によるドローン操縦チームを結成したいとしている。ドローンは30年度中に保有する予定。3月3日には、デジタルハリウッドによる「ドローン専攻カリキュラム」を実施するため八王子市内の由木西小学校での活用を開始する。
 このほかドローンの活用に係る次世代育成として、八王子市内の子どもたちに、次世代技術であるドローンに触れる機会をつくり、子ども向け体験カリキュラムを共同開発する。次世代育成には、コニカミノルタサイエンスドーム(八王子市こども科学館、八王子市大横町)との連携を図る。
 またドローンの活用分野に関する調査・研究として、ドローン活用の可能性を検討するため、八王子市の関連所管による「ドローン活用に向け た庁内検討会」を3月中旬に発足、市内の企業、大学、各種団体と連携し、八王子市版「(仮称)ドローンの活用に向けた官民連携協議会」による、ドローンに関する実証実験の展開や、 新産業の創出を目指すことになる。

握手する石森市長(左)と杉山取締役学長。

 石森市長は「八王子市がドローン活用を目的とした提携をするのは今回が初めて。具体的には自然災害時の活用で、いち早く被災現場上空からの情報をわれわれの手元に届けられるドローンの活用は有効で重要と思っています。また橋梁や道路など老朽化したインフラの点検にも活用したい。5年間で市職員のドローン操縦チームをつくり、いざという時にしっかりと対応したい。子供たちには、ドローンを見て、触れてもらい教育に繋げてもらいたい」と今後に期待を寄せた。

 デジタルハリウッドの杉山取締役学長は「地方自治体でのドローン活用は早く取り組むべきと考えています。毎年のように起きる災害や医療、福祉関連におていても自治体として高度なレベルでドローンを使いこなしてもらいたいと思います。市職員の中にドローンの操縦のできる人がいれば、必要な時にすぐに飛び、すぐに現場を撮影できる。高精細の4Kの映像で、現場の様子をつぶさに見ることで市長以下の方々が判断をくだせるわけです。われわれも一生懸命努力させて頂きたいと思っている次第で、ドローンについて八王子市さまと組むことで先進的な事例を作っていきたい」と抱負を話した。

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