UACJ次期社長の石原取締役、「大型投資の収益化急ぐ」 輸送機分野でさらなる成長へ

 UACJは27日、都内で岡田満社長と石原美幸次期社長が記者会見を開催した。石原次期社長は「UACJが発足してからの4年、国内やタイ、北米を中心に様々な投資を実行してきた。これらの投資の収益化に軸を置きつつ、自動車を含めた輸送機分野など将来の成長に必要な投資は継続していく」(石原次期社長)との方針を示した。石原次期社長は名古屋製造所、福井製造所といった基幹製造所のトップを歴任し、昨年からは生産本部長としてアルミ板の生産全般を担当してきた。新社長として岡田社長らが推し進めてきたグローバル戦略を引き継ぎ、アルミ圧延のグローバル大手としてさらなる事業体の強化を目指す。

 古河スカイと住友軽金属工業の統合により2013年10月に発足したUACJの社長交代は初めて。これまで4年間、経営の最前線に身を置いていた岡田満社長は「次の社長には、3月末までに公表する次期中期経営計画のスタートから任せたいという思いがあった」と社長交代の時期について説明。その上で「石原次期社長は生産本部長として構造改革に携わっている。これから既存投資の刈り取りをしていくことになるが、地道に、着実に粘り強く成果を出せる人物だと思っている。指名委員会でも適任だと評価された」(岡田社長)と選任理由について解説した。

 今回のトップ人事で6月21日以降は山内重徳会長(留任)、岡田満副会長、石原美幸社長の3人が代表権を持つことなる。経営全般の執行については石原次期社長が担当し、山内会長と岡田副会長が石原次期社長をサポートしていく体制となる。「アルミは自動車分野を含めて大きな変革期を迎えており、われわれも国内外で大きな投資をしている。過去にない戦線の拡大が現実にあるため、こういう体制とした」(岡田社長)と説明。その上で「3人体制を長く続けるということはない」(同)とした。

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