豊田通商など3社、自動車の樹脂素材を再利用実証実験を開始

 豊田通商は28日、自動車素材のマルチマテリアル化に対応し、矢野経済研究所(社長・東京都、社長・水越孝氏)、いその(本社・名古屋市、社長・磯野正幸氏)と共同で自動車由来の樹脂を素材としてリサイクルするための可能性実証実験を開始する、と発表した。樹脂種別、グレード、難燃剤などにより回収候補部品を選定し、取り出し、破砕・粉砕、劣化度合いの検証などを行う。

 実証は、「自動車リサイクルの高度化およびリサイクル料金負担軽減」のための事業として「平成29年度自動車リサイクルの高度化等に関する調査・研究・実証等にかかる助成事業」に採択されたもの。

 取り外しコストが高いことや経年劣化、物量確保の難しさなどから、樹脂の再生利用は難しく、サーマルリサイクルが現在は主体。

 一方でASR(自動車破砕残さ)のうち樹脂が占める割合は33%に達し、軽量化などで比率が増えている。

 樹脂を素材として再生利用できれば、ASRの処理費用が低減し、リサイクル料金の軽減にもつながると期待されている。

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