【UACJ、社長交代の会見要旨】石原氏「投資収益化と積極策両立」、岡田氏「1+1を3以上に」

 UACJの次期社長に石原美幸取締役常務執行役員の就任が内定した。約4年間社長を務めた岡田満氏は代表権のある副会長に就任する。27日に都内で開かれた記者会見要旨は次の通り。(敬称略)

――UACJ発足から4年間を振り返って。

岡田「統合前は旧2社の文化の違いなどで心配する声もあったが、よい融合ができた。ただし単に1+1=2では競争には勝てない。1+1=3以上にするため、化学反応を起こしてさらなるシナジーを出したいと思ってきた。新社長の下でもう一度新しい反応を起こし、生産性も技術も高めてもらいたい」

――この時期、また石原氏を後任に選出した理由は。

岡田「3月末に18年度からスタートする新中期経営計画を公表する。次の社長には、この開始時点から担当してもらいたいという気持ちを持っていた。石原次期社長は生産本部長として構造改革に携わっている。これから既存投資の刈り取りをしていくことになるが、地道に、着実に粘り強く成果を出せる人物だと思っている」

――次期社長の抱負は。

石原「UACJが発足してから、世界を見据えてグローバルに業態を拡大してきた。山内会長と岡田社長の下で北米、東南アジア中心に事業を展開してきたがこのレールをさらに長く太くしていく」

石原「これまでに実行してきた大型投資の収益化に軸を置きつつ、自動車を含めた輸送機分野など将来の成長に必要な投資は継続していく」

――どの時点で話を受けたか。

石原「1月下旬に山内会長、岡田社長の両名から話があった。受けないという選択肢はないよとのことだったが、〝自分にやれるのか〟という思いが強かった。それでも社長に選んでもらったことに感謝し、全力で取り組むと誓った」

――代表取締役が3人となるが役割分担は。

岡田「経営は石原次期社長にすべて任せるが、グローバル展開の中で戦線が拡大している。自動車分野では、アルミは大きな変革期を迎えている。会長と副会長は対外的な事項やそれ以外の部分で社長をサポートしていく。次期中期計画では総力戦で当たるべき課題がたくさんある。とはいえ長く3人体制を続けていくつもりはない」

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