日本アドバンスロールが営業開始、鍛造ロール事業の拡大目指す 初代社長に長野氏

 日本アドバンスロールは1日、日立パワーソリューションズ(以下日立パワー)から鍛造ロール事業を引き継ぎ、専門メーカーとして営業を開始した。社長には日立パワーの素形材本部長だった長野秀樹氏が就任した。同社の売上高は約50億円。長年にわたり築き上げた技術力を武器に、経営資源の投入と技術革新の継続を図り、鉄鋼・非鉄金属圧延用鍛造ロール事業の拡大を目指す。

 日立パワーの鍛造ロール事業は日立製作所時代から60年以上の歴史があり、設計・開発・製造・販売と保守・サービスを一貫で行ってきた。冷延用ハイスロールでは累計1千本以上の販売実績がある。事業構造改革の一環で会社分割を行い、日本みらいキャピタルが助言する投資ファンド傘下の特別目的会社、ウィンホールディングスに3月1日付で株式100%を譲渡した。

 日本アドバンスロール(資本金・3億1千万円、本社・茨城県ひたちなか市)は従業員数約170人。冷延・熱延用ワークロール、中間ロール、バックアップロール、多段式圧延機用ロールなどの国内大手。長野社長は1日、「これまで培った技術力やノウハウを生かし、鍛造ロール分野で世界ナンバーワン企業になるため努力する」とコメントした。

 長野 秀樹氏(ながの・ひでき)88年(昭63)室蘭工業大学産業機械工学科卒、日立製作所入社。10年日立協和エンジニアリング素形材本部セラミックス部長、13年日立パワーソリューションズ素形材本部セラミックス部長、15年素形材本部ロール部長、17年素形材本部長、18年3月日本アドバンスロール社長。52歳。

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