【JFEメランティ・ミャンマー】〈セバスチャン社長とJFE野房常務が会見〉CGL稼働時には300人体制へ 輸出、3商社を活用

 JFEメランティ・ミャンマー(JMM)のセバスチャン・ランゲンドルフ社長と、JFEスチールの野房喜幸常務執行役員が1日、鍬入れ式後にティラワ工業団地内で会見した。主なやり取りは以下の通り。

――JMMではどのような製品を造るのか。

セバスチャン氏「JMMで造るものはハイエンドでなくハイクオリティの製品。アッパーミドルの領域がターゲットだ。溶融亜鉛めっきライン(CGL)にはポットを2種備え、GIとガルバリウム鋼板(溶融55%アルミニウム―亜鉛合金めっき鋼板)を造れるようにしている。塗装のしやすさや長寿命ぶりを示せば顧客に受け入れられていくだろう」

――JFEにとり、JMMの意義は。

野房氏「当社は自動車、エネルギーと並びインフラ建材を現行の中期経営計画で重点分野として掲げてきた。この建材において海外初の投資ということになる。民主化されたミャンマーはこれから経済が伸びるステージ。現状ではまだ大きい市場ではないが、JMMが本稼働する2020年ごろには需要が倍に増えているとみている」

――ミャンマーで薄板建材需要をどう開拓していくのか。

セバスチャン氏「我々は2年前から事業を検討してきており、その間に地場のロールフォーミングや建設会社などと関係を築いてきた。JMMの生産が始まればぜひ買いたいと言っていただいている。輸入鋼材を代替できる余地は大きい」

――合弁パートナーのJFE商事、伊藤忠丸紅鉄鋼、阪和興業の3商社に期待することは。

セバスチャン氏「JMMの年産能力はCGLで18万トンと大きいが、ミャンマー国内の需要が増える途上では周辺国へも輸出していく。ここで3商社が持つネットワークは大きなリソースになる」

――JMMの陣容はどう整えていくのか。

セバスチャン氏「現在はプロジェクトマネジメントを担う人員を中心に40人。CGL稼働時には300人まで増やす予定だ。ミャンマー現地人の育成も進め、いずれ権限委譲を進めていきたい」(ヤンゴン=黒澤 広之)

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