脳出血、全身骨折、癌…悲劇の元USA代表、31歳の「熱すぎる引退表明」

元アメリカ代表FWチャーリー・デイヴィスは3日、自身のSNSで現役引退を表明した。

チャーリー・デイヴィスは1986年生まれの31歳。ボストンカレッジでプレーしたあと欧州へと渡り、スウェーデンのハンマビーで活躍した。

それが認められた形で2009年にはフランス1部のソショーへと引き抜かれ、ヨーロッパのトップリーグへと進出を果たす。

ところがその年の12月、代表合宿のために帰国した米国で深刻な交通事故に遭遇してしまう。

彼が乗っていたSUVは真っ二つに裂け、同乗していた女性は死去。デイヴィス自身も右脛骨、大腿骨、肘、顔面を骨折し、脳出血も確認される大怪我を負った。

それによって2010年ワールドカップに出場するという夢は諦めざるを得なくなっている。

その後奇跡的な回復を見せ、DCユナイテッド、ラナス(デンマーク)、ニューイングランド・レヴォリューション、フィラデルフィア・ユニオンなどでプレー。

しかし、さらに2016年には脂肪肉腫(癌の一種)と診断されて療養を余儀なくされるなどの不運に見舞われていた。

そして、昨年限りでニューイングランド・レヴォリューションとの契約が満了になっていた彼は、31歳という若さで現役を引退することを発表した。

米国サッカー協会は公式ホームページで彼のコメントを掲載。これまでうまく行かなかったからこそ、アメリカのサッカーに関わりたいという意思を持っているという。

チャーリー・デイヴィス 「静かに、そして慎重に考えたあと、僕はプロサッカー選手を引退することを決めたよ。

6歳の頃から、プロサッカー選手になることを夢に見てきた。そして、考えていた以上のことをすることが出来た」

「僕はピッチ上での全ての時間を愛してきた。

絶望的な怪我に襲われてしまっても、癌を患ってしまっても、その気持ちはより強くなっていった。

皆の友情も、激しい競争も、愛すべきものだった。フェンスの両側にいる素晴らしい人々を愛していたよ。

引退する人は言う。『もう出て行く』と。しかし正直に言って、僕はそれほどアメリカのサッカーに関われていなかった。

僕はこれを愛している。皆、これまではなかったような形で試合に関わっていく僕を見ることになると思うよ。

なぜなら、これまで僕はゴールを決めることに忙殺されていたからね!」

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