《働くオンナの救Q箱》花粉症がつらすぎる!

Illustration: Haruka Toshimitsu

 今年も花粉症の季節がやってきた…。市販でも薬が手に入るけれど、安易な自己判断は注意!症状に合わせた最適な対策をして、花粉症とうまく付き合おう。

Q1.そもそも、花粉症ってなに?

 植物の花が原因となって起こる、アレルギー性鼻炎のことです。人間には体内に花粉などの異物が入り込むと、異物を排除して体を守ろうとする仕組み(免疫)があります。この仕組みが過剰に反応し、逆に体を傷つけるような症状を引き起こしてしまうことをアレルギー反応といいます。その反応が鼻や目に出ることを、花粉症と呼んでいるのです。

Q2.花粉症の症状を教えて!

 代表的な症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり。ほかには目のかゆみを訴える人もいます。しかし、これらの症状が出るからといって、誰しもが花粉症というわけではありません。季節や体調によっては風邪を併発し、その症状が混在している場合もあります。わかりやすい違いは鼻水。花粉症の鼻水は透明で、さらさらと水のように流れてきます。一方、風邪をひいているときの鼻水は黄色っぽく、ねばり気があるのが特徴です。症状を正確に見極めるためにも、鼻の粘膜を診察できる耳鼻咽喉科にかかることをおすすめします。

Q3.近年、花粉症の人が増えているのはなぜ?

 大気汚染や乾燥した環境によって粘膜が弱り、アレルギー反応が出やすい状態であるから。また、花粉症の多くは2月中旬~4月中旬に飛散するスギ花粉が原因です。戦後、大量に植えられた日本のスギは非常に生命力が強く、花粉量は年々増加傾向にあります。その分、体内に入り込む花粉も増え、現在までに花粉症になる人も増えていったと考えられるでしょう。とくに都心部は、本来は土に吸収されるべき花粉がアスファルトやコンクリートの上に残って頻繁に花粉が舞うため、人間の体内に入りやすいのです。

Q4.花粉症が長引くことはある?

 たとえば4~5月はヒノキ、6~7月はイネ(カモガヤ)、9~10月はブタクサやヨモギなどの花粉が飛散するため、スギ以外の花粉にもアレルギー反応が出る場合は、しばらく症状が続きます。早めの対策をうつためにも血液検査をおこない、何に対してアレルギーがあるのか調べておくといいでしょう。とくに、もともとアレルギー体質の人はアレルギー性鼻炎をきっかけに、食物アレルギー→アレルギー性皮膚炎→ぜんそくのように、粘膜への症状が波及することもあるので注意が必要です。

Q5.少しでも症状を緩和したい!

 最適な治療を受けるためにも、主訴(いちばん悩んでいる症状)をしっかりと伝えることをおすすめします。その内容により、抗ヒスタミン剤の内服処方、点鼻薬、舌下免疫療法、レーザー治療など、患者さんのニーズに合わせた治療法を提案することができるからです。日常生活では、ニュースやインターネットで見られる毎日の花粉情報をチェックして対策を。Q3で述べたように、乾燥していると花粉を受け入れやすくなるため、加湿器やマスクなどで粘膜のうるおいを保つことで、ある程度シャットアウトできます。

監修:大河原 大次 先生

日本耳鼻咽喉科専門医
日本橋大河原クリニック 院長

http://www.ohkawara-clinic.com

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