出でよ「次なる藤井聡太」 中原16世名人が指導対局

 将棋の中原誠16世名人(70)=川崎市多摩区在住=が3日、同市中原区の「新城子供将棋教室」で指導対局を行った。年1回の恒例行事で、6回目。

 中原16世名人は名人15期、棋聖16期などタイトル獲得64期(史上3位)の実績を持つ。2009年の現役引退後は、同教室や東京都渋谷区の将棋会館で解説会に登場するなど、普及活動を行っている。しかし、自ら指導対局をする機会は少なく、ここ数年は同教室のみだという。

 対局は2人を同時に相手する「2面指し」で、ハンディをつけた駒落ち戦。20人が集まり、8人が16世名人に挑戦した。

 唯一の金星を挙げたのが、飛車落ちで挑んだ吉田健斗君(11)=市立白幡台小5年。難解な終盤戦で粘り強い受けを見せ、攻めに転じると鋭く寄せた。「最後までよく分からなかった。まさか飛車落ちで勝てるとは思わなかった」と喜びを語った。

 中原16世名人は、サインを入れた自身の実戦集を教室にプレゼントし、「この棋譜を並べて強くなって」と子どもたちにエールを送った。

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