【MLB】“速すぎる男”が超美技で大谷翔平の長打を阻止「誰からもヒットを奪いたい」

レッズのビリー・ハミルトン【写真:Getty Images】

大谷が左中間へ大飛球も…シーズン“155盗塁男”が地面スレスレでダイビングキャッチ

 エンゼルスの大谷翔平投手は5日(日本時間6日)、オープン戦のレッズ戦に「2番・DH」で先発出場。打者として3試合目の出場となったが、3打数無安打に終わった。初回に放った左中間への大飛球をメジャーNO1のスピードを誇るビリー・ハミルトン外野手がスーパーキャッチ。ヒットを1本“損”する形となり、米メディアも「ハミルトンが大谷から長打を奪い去った」と伝えている。

 初回1死走者なしで迎えた第1打席。大谷は相手先発右腕ロマノから左中間への大飛球を放った。しかし、圧倒的なスピードを誇る中堅ハミルトンが落下地点へ猛ダッシュ。最後は体を投げ出すようにして飛び込み、地面すれすれで掴み取った。スーパープレーに球場はどよめいた。

 ハミルトンは2011年にマイナー1Aでシーズン103盗塁(失敗20)を記録すると、2012年には1A+と2Aの1つのカテゴリーで計155盗塁(失敗37)という衝撃的な数字をマーク。2013年にメジャー昇格を果たし、13試合で13盗塁を記録した。その後、2014年は56盗塁、2015年は57盗塁、2016年は58盗塁、2017年は59盗塁と4シーズン連続で50盗塁以上をマーク。盗塁王こそ1度もないが、メジャー昇格後も成功率は82%を誇る。

 大谷は、このメジャー最強の韋駄天の美技で長打をもぎ取られた。米メディア「ファンラグ・スポーツ」は「ビリー・ハミルトンはショウヘイ・オオタニから長打を奪い去った」とのタイトルで取り上げ、「もしシンシナティ・レッズのビリー・ハミルトンを有名にさせることが1つあるとするならば、それは彼の猛烈なスピードだ。エンゼルスの日本人の二刀流スーパースター、ショウヘイ・オオタニはメジャーにやって来たばかりということもあり、それを分かっていなかったのかもしれない。まあ、今なら間違いなく分かっているであろうが…」と伝えている。

大谷には賛辞「メジャーにおいてスターになる選手の一人」

 さらに、その場面の動画を紹介しつつ「スピードスターが、エンゼルスの新人選手による長打を強奪しようと1マイル(約1.61キロ)は進んだであろう走りを見せたとき、オオタニはハミルトンの電光石火の如き脚力の餌食になったのだ」「次回、彼はハミルトンの方にボールを飛ばしてはいけいないということを分かっている」と冗談交じりに言及している。

 また、米全国紙「USAトゥデイ」も「ショウヘイ・オオタニはしっかりと(ボールを)捉え、長打を狙ったが、(打球は)奪われてしまった」とのタイトルで記事を掲載。その中でハミルトン本人は「誰からのヒットも奪いたいんだ。正直、それが誰なのかは関係ないよ。あれは成功させなきゃいけないと思うプレーの一つだったね」と話している。結果として、話題の二刀流選手からヒットをもぎ取ることになったが、「偶然、その相手が彼になったけど、彼はメジャーにおいてスターになる選手の一人だね」と、その能力を称えている。

 大谷はその後、2点リードの3回1死二塁で三ゴロ、5点リードの4回2死二塁では遊ゴロと得点機で凡退。次打席で代打を送られて交代した。この日は相手の超美技で3打数無安打という結果になったが、徐々にメジャーに適応している様子。打者としても、デビューへ向けて着々と準備を進めている。

(Full-Count編集部)

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