【MLB】イチロー、まさに「英雄の帰還」 マリナーズに刻む球団屈指の打撃成績

マリナーズへの復帰が報じられたイチロー【写真:荒川祐史】

2012年以来6年ぶりの復帰へ、数々の打撃記録で球団トップに名を刻むイチロー

 マイアミ・マーリンズからFAになっていたイチロー外野手がシアトル・マリナーズに復帰することが確実になった。実現すれば、2012年以来6年ぶりの古巣復帰だ。

 イチローは2001年から2012年シーズン途中まで、12シーズン半にわたってマリナーズに在籍した。この間に10年連続で打率3割、200本安打、オールスター出場、ゴールドグラブ受賞を記録している。まさにイチローは、マリナーズのユニフォームで「黄金時代」を現出させたのだ。

 すでにイチローはマリナーズ在籍時の打撃の各部門で、球団屈指の成績を残している。

◯安打数
1.イチロー2533安打 2.エドガー・マルチネス2247安打 3.ケン・グリフィーJr1843安打

◯得点
1.エドガー・マルチネス1219得点 2.イチロー1176得点 3.ケン・グリフィーJr1113得点

◯盗塁
1.イチロー438盗塁 2.フリオ・クルーズ290盗塁 3.ハロルド・レイノルズ228盗塁

◯敬遠四球
1.イチロー、ケン・グリフィーJr172個 3. エドガー・マルチネス113個

◯通算打率(1500打席以上)
1.イチロー.322 2.エドガー・マルチネス.312 3.アレックス・ロドリゲス.309

 1977年創設、今季42シーズン目を迎えるシアトル・マリナーズにとって、イチローはエドガー・マルチネス、ケン・グリフィーJrらとともにすでにレジェンドと言ってよい打者だ。

ケン・グリフィーJrも晩年に復帰、それに続く「英雄の帰還」に

 イチローはオリックス・ブルーウェーブ時代から背番号「51」をつけていた。マリナーズに移籍してからも「51」をつけたが、イチローが移籍した時点でこの背番号は、すでにチームにとっては由緒ある番号だった。

 シアトル・マリナーズの背番号「51」は過去4人だけ。記録はマリナーズ時代通算。

◯ビル・ウィルキンソン(1985年 投手 5勝8敗12S、防御率4.13)
◯レイ・キノネス(1986-89年 遊撃手 281安打24本115打点2盗、打率.251)
◯ランディ・ジョンソン(1989-98年 投手 130勝74敗2S、防御率3.42)
◯イチロー(2001-12年 外野手 2533安打99本633打点438盗、打率.322)

 イチローの前の「51」は、「ビッグユニット」ことランディ・ジョンソン。208センチ102キロの巨躯でMLB通算303勝をマークした左腕。2015年には野球殿堂入りをした大投手だった。

 2001年、イチローが「51」をつけた際には、ランディ・ジョンソンが移籍して3年しかたっていないだけに、ファンの間には抵抗感もあったようだが、イチローはそうした懸念を払しょくする大活躍をした。

 2012年シーズン中にイチローがニューヨーク・ヤンキースに移籍してから、「51」は欠番となっている。イチローがマリナーズに復帰すれば再び「51」をつけるのは確実だ。イチローはすでに野球殿堂入りが確実視されているが、そうなれば「51」は、ランディ・ジョンソンとイチローの背番号としてマリナーズの永久欠番になるのではないか。

 マリナーズ育ちの大打者が、他球団でのキャリアを積んだのちに復帰した例としては、2009年のケン・グリフィーJrの例が思い出される。1989年から99年までマリナーズで活躍したグリフィーは2000年にレッズに移籍。ホワイトソックスを経て39歳でマリナーズに復帰した。イチローにとってグリフィーはNPB時代から目標とする選手だったが、2年間、チームメートとしてともにプレーした。

 歴史は繰り返す。今度はイチローが「英雄の帰還」を果たす。今年10月には45歳になるイチローだが、現役選手として残された時間を有意義に使ってほしいものだ。

(Full-Count編集部)

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